外国人投資家がトルコ向け投資拡大、政策大転換以降に幅広い資産上昇

Karin Strohecker

[ロンドン 23日 ロイター] - 外国人投資家がトルコ向け投資を拡大している。金融政策正常化の流れが一段と定着する中で、特に注目されているのは国内債とクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)だ。

ほぼ1年前、再選を果たしたエルドアン大統領は1期目に行ってきた経済理論の主流に反する政策を大転換し、市場の要求に沿ってインフレ抑制のための大幅な利上げを支持。これを受けて中央銀行が昨年6月以降、政策金利を計4150ベーシスポイント(bp)も引き上げた。中銀は23日の会合で金利据え置きを決めたものの、インフレリスクへの警戒姿勢は解いていない。

バンガードで新興国市場アクティブ確定利付き商品共同責任者を務めるニック・アイジンガー氏は「現在投資家はかなり積極的に戻ってきている。相当多くの資金流入が続いているところだ」と述べた。

アイジンガー氏は、通貨リラと国内債をそれほどの規模ではないが買い持ち、クレジット商品についてはかなりの買い持ちにしているという。

シティのアナリストチームも、政策転換がトルコ資産に対する外国人投資家の関心を高めたとの見方を示した。

ルイス・コスタ氏は顧客向けノートに「現在は、国内債から外債、社債、株式に至るまでのトルコ市場が再生復興している局面とみなしている」と記した。

実際トルコの主要株価指数は年初来で46%強上昇し、この間に銀行セクターが80%前後も跳ね上がってけん引役を果たした。政府債のリターンは年初来4%強と、JPモルガンGBI-EMグローバル・ディバーシファイド指数の1%弱を大きくアウトパフォームしている。

トルコの外貨建て債のリターンは2.4%で、JPモルガンEMBIグローバル・ディバーシファイド指数と大差ない。ただ過去12カ月で見ると、同指数の2倍以上の24.6%だった。

リラは年初来ドルに対して8%余り下落したものの、4月半ばを底に落ち着きを取り戻した。アイジンガー氏は「実質ベースでリラは上昇している。これは好材料で、インフレ抑制に効果があるので当局もそれを望んでいる」と指摘した。

同氏によると、次に活発な取引が行われる可能性があるのはCDSだ。トルコの5年物CDSの23日時点のスプレッドは264bpと、1年前の673bpの半分以下。事態が順調に進めば、あっさりと225bpまで縮小してもおかしくないという。

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