シンガポール航空機の乱気流事故、20人以上が脊椎損傷で治療中 タイ病院が発表

シンガポール航空の旅客機が激しい乱気流に巻き込まれてタイの首都バンコクに緊急着陸した事故で、20人以上が脊椎を損傷して集中治療を受けている。負傷者が搬送されたバンコクの病院長が23日、明らかにした。

英ロンドン発シンガポール行きのSQ321便(ボーイング777-300)は21日、インド洋上で激しい乱気流に見舞われた。当時、機内には乗客211人、乗員18人がいた。乗客のイギリス人男性ジェフ・キッチンさん(73)が死亡し、数十人が負傷した。キッチンさんの死因は心臓発作とみられている。

航空会社などによると、この事故で乗客46人と乗務員2人がバンコクの病院に搬送され治療を受けている。2歳の子どももいるという。そのうち6人が頭蓋骨と脳の損傷で、13人は筋肉、軟部組織、脊椎、脊髄の損傷で治療中だという。

バンコクのサミティヴェート・シーナカリン病院のアディヌン・キティラタナパイブール院長は23日、同病院では41人の乗客を治療中で、そのうち半数が集中治療を受けていると発表。22人が脊椎を損傷し、6人は重体で危機的な容体だとした。

また、17人が手術を受け、うち9人は脊椎損傷に関連したものだったと説明。2歳児については脳振とうの治療を受けているとした。

治療中の人たちの国籍別の内訳は、イギリス人10人、オーストラリア人9人、マレーシア人7人、フィリピン人4人などとなっている。最高齢は83歳とされる。

他の乗客と乗員らは22日午前、救援機でシンガポールに到着した。

シンガポール航空のゴー・チュンポン最高経営責任者(CEO)は、「突然の急激な乱気流」によって「影響を受けたすべての人に深くお詫びする」と謝罪した。

シンガポール政府は徹底的な調査を約束している。

(英語記事 More than 20 treated for spinal injuries after turbulence flight

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