ロシアと中国の宇宙兵器禁止案、国連安保理で否決

ロシアと中国が提出した宇宙兵器を禁止する案が、国連安全保障理事会で否決された。

ロシアと中国がこのような考えを示したのは、今回が初めてではない。4月下旬、米国と日本は宇宙への大量破壊兵器の配備を禁止する決議を提出した。当時、ロシアと中国は「宇宙空間への兵器の配備を防止する」修正案を提出し、日米決議案は中国の棄権とロシアの反対票で否決された。

5月20日に提出されたロシアと中国による最新の決議は、4月に否決された決議とほぼ同じ内容だった。しかし、今回の決議案では、13カ国中で7カ国が賛成、7カ国が反対、スイスが棄権したことで否決された。

ロシア国連大使のVassily Nebenzia氏は「理事会が平和利用のみを目的とした宇宙の保存に賛成票を投じなかったことは、非常に残念だ」と述べている。

この採決前に、米国の国連代理大使を務めるRobert Wood氏は、ロシアが5月16日に打ち上げた衛星「Cosmos 2576」が、衛星破壊実験(Anti-SAtellite Test:ASAT)を目的としており、「Cosmos 2576は宇宙兵器であり、地球低軌道にある他の衛星を攻撃できる」と発言している。

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