りそな/埼玉りそなが空き家専用ローン

5月21日、りそな銀行および埼玉りそな銀行が「りそな空き家専用ローン」の取り扱いを開始した。

大きな社会課題となっている「空き家問題」。先に総務省が公表した「令和5年 住宅・土地統計調査」によると、2023年10月1日現在の空き家戸数は900万戸、総住宅数に占める空き家率13.8%とともに過去最高となった。このうち「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」は385万戸、空き家率は5.9%と、一貫して増加を続けている。

空き家問題は、この「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」を中心に、利活用などをせず、管理も疎かに放置された空き家が増え続けていることによる。景観や防犯、防災などの面から地域に悪影響を与え、負の遺産となっているのだ。

空き家特措法の改正、また、メディアの報道などにより空き家に対する社会的な関心が高まるなか、空き家所有者の意識も変わりつつあり、これまで放置してきた空き家の対策を考える人が増えてきている。ただ、所有者が売却や賃貸といった利活用を考えても、その物件を購入する、また、活用する人がいなければ話は進まない。つまり流動性が低いことが大きなネックになる。

これまで空き家を購入したくても物件が古すぎて担保に入れられず、ローンの利用が難しいケースが多かった。こうしたなか市場の活性化を目的に、りそな銀行と埼玉りそな銀行が開発した「りそな空き家専用ローン」は空き家に特化した無担保のローンだ。

同ローンの資金使途は①購入資金、②リフォーム資金、③解体資金、④上記資金に使途に付帯する費用。借入限度額は10万円以上1000万円以内で、返済期間は1年以上15年以内。金利タイプは変動型だ。このローンにより物件の築年数に関係なく空き家の購入などが可能になる。また、移住やセカンドハウスのために空き家を取得する場合で、すでに住宅ローンを借入れしている場合でも追加で借入れすることができる。

今回の取り組みはメガバンクでは初のこと。空き家の利活用を進める上で資金の確保は大きな課題。こうしたローンが広がることで空き家活用にさらに加速がつきそうだ。

りそな空き家専用ローンの概要

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