AI創作物も発明者は人間 政府見解に「議論しているうちに技術が進歩する?」

5月24日(金) 寺島尚正アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『おはよう寺ちゃん』(文化放送・月曜日~金曜日 午前5時00分~9時00分)が放送。金曜コメンテーターで郵便学者の内藤陽介氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、AIをめぐる政府の動きについて意見を交わした。

政府の知的財産戦略本部が近くまとめる「知的財産推進計画2024」の原案が判明した。創作物にAI、人工知能を利用したとしても、人間を「発明者」とするべきだとの見解を明記した。原案は、現在のAIの技術水準では「AI自身が、人間の関与を離れ、自律的に創作活動を行っている事実は確認できない」と指摘し、「自然人の発明者を認定すべきだ」とした。同様の見解は、司法の場でも示されている。東京地裁は先週、AIを発明者とする特許出願を特許庁が却下したのは違法だとして、アメリカ人の技術者が国を相手取って却下処分の取り消しを求めた訴訟で、「特許法が規定する『発明者』は人に限られる」として請求を棄却した。

寺島アナ「創作物にAIを利用したとしても人間を発明者とするべきだという見解ですが、内藤さん、これはどうお考えでしょう?」

内藤「これでもどうするんですかね? 例えば、自動生成プログラムで本当に作品を作っちゃう場合もあるわけでしょう。例えば、俳句は基本的には17字じゃないですか。ということは、仮に日本語の音が50音50文字だとすると、50の17乗の組み合わせしかないわけですよね」

寺島「はい、そうですね」

内藤「そのうち明らかに意味をなさないものとかを排除していくと、たぶん相当数が減る。すると確率的に自動生成で、俳句はできちゃうわけですよ。季語の単語を一つ入れて、例えば季語が四文字だったら、残りの13文字の組み合わせを自動生成でできちゃう。音楽だって、もちろん理論上は音符の数は無限かもしれないけど、人が歌える範囲だったりリズムだったりとかは限られてますから、これも多分ある程度は自動的にできちゃうわけじゃないですか」

寺島「数的に考えるとそうなってきますよね」

内藤「これは、おそらくこれはご専門のかたが作ったので、こういう形でいいと思うんですけど、例えば3年ごとに見直しをするなどと決める必要があるでしょう。進歩のスピードが非常に早いですから、これで固定しちゃうと、下手したら、役所でこの計画を揉んでいる間に「こんなのが出てちゃった」みたいになるといけません。基本的にコンピューター関係は、とにかくやってみて、トライアンドエラーで、どんどん手直しをして行くっていうふうにして行かないと。そういう意味で言うと、役所とか法律とかとは相性の悪い世界だと思うんですけど、そういうふうにやってくしかないですよね」

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