1800年前の漢画像石に新たな活力 中国山東省済寧市

1800年前の漢画像石に新たな活力 中国山東省済寧市

武氏墓群石刻博物館の展示。(4月18日撮影、済寧=新華社配信)

 【新華社済南5月24日】中国古代の石刻芸術「画像石」は、平板の石材に線刻や浮き彫りで画像を表したもので、主に漢代~南北朝時代の祀堂(しどう)や墓室の壁面を飾った。漢代を代表する芸術でもあり、1961年には山東省済寧市嘉祥県の武氏墓群石刻が第1次全国重点文物保護単位(国宝・重要文化財)に指定された。

 同県紙坊鎮にある武氏墓群石刻博物館は、武氏一族の祠堂に使われた画像石40個余りを収蔵する。これらの石刻は美しい画面を通じ、漢代とそれ以前の政治経済、軍事、文化と神話、風土と人情などを生き生きと表現している。

 嘉祥県はここ数年、文化遺産の保護と伝承を進め、文化財や文化遺産の多重的な価値を掘り起こし、1800年余り前の画像石に新たな活力を与えている。特別資金も1700万元(1元=約22円)余り獲得し、設備・施設の保護的修繕や石刻本体の保護、事前調査研究など一連の文化財保護プロジェクトを次々に実施した。

1800年前の漢画像石に新たな活力 中国山東省済寧市

武氏墓群石刻博物館で、ヒューマンマシンインタラクション(HMI)設備について説明する紙坊鎮の職員(手前)。(4月10日撮影、済寧=新華社配信)

 県文物観光サービスセンターの何志剛(か・しごう)副主任は「石刻ごとに洗浄や脱塩処理、墨跡の除去、亀裂の補修など個別の修復プランを採用した。環境モニタリングや空気サンプルの採集、亀裂モニタリングなどの予防的保護措置も確実に行い、石刻を元の姿に復元している」と説明した。

 博物館収蔵文化財の活力や魅力を引き出すため、県は武氏墓群石刻デジタル博物館の建設や漢文化研究・体験学習施設の整備も進め、文化と観光の深い融合を力強く推進している。(記者/張昕怡)

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