新興国債投資、指数型から各国選別型に移行か=BofA戦略責任者

Libby George

[ロンドン 23日 ロイター] - 新興国債券投資は、総合的な指数型から各国を選別する手法に変わりつつあるのではないか――。バンク・オブ・アメリカ(BofA)の新興国債戦略グローバル責任者を務めるデービッド・ホーナー氏はロイターにこうした見方を示した。

投資先として選ばれているのは、経済がしっかり成長しているか、改革が進められているメキシコやブラジル、トルコ、インド、ポーランドなど。短期的な賭けではエジプトとナイジェリアも人気がある。

ホーナー氏は「これは構造的(変化の)物語の始まりだと思う」と述べ、投資家は幅広い新興国資産をパッケージ化した指数商品よりも、個別の国ごとに投資することを望んでいると付け加えた。

同氏によると、こうした流れの中で、大規模な資金力を有する国際的な有力債券ファンドが、幾つかの重要市場に「非常に大規模な」投資を行っているという。

一方、注目度の高いEPFRのデータを見ると、新興国債券ファンドからは年初来で約50億ドルが流出している。

EPFRのデータに反映されるのは、複数の新興国市場の組み合わせで構成されている上場投資信託(ETF)やミューチュアルファンドの資金フロー。新興国の間でも経済動向に格差が生じつつあり、さまざまな投資家が選別的な投資を好むようになってきた様子がうかがえる。

ジュピター・アセット・マネジメントの新興国債責任者を務めるアレハンドロ・アレバロ氏は、メキシコやインド、ベトナムといった予想外に経済が好調となっている新興国が「投資家の人気の的」で、資金が流入していると指摘。これらの国は首尾良くインフレを抑制し、米中貿易摩擦から恩恵を受ける立場を築いていると付け加えた。

© ロイター