セインツとスーパードーム委員会がスーパーボウルを控えた改修費の支払いで対立

ニューオーリンズ・セインツの本拠地【NFL】

ニューオーリンズ・セインツの本拠地であるシーザーズ・スーパードームの改修工事をめぐり、このスタジアムを管理する州委員会とセインツが対立している。この改修工事は次のスーパーボウル開催前に完了する予定であり、セインツの財政的な負担について意見が分かれている。

『Louisiana Stadium and Exposition District(LSED/ルイジアナ・スタジアム・アンド・エキスポジション・ディストリクト)』の理事会メンバーは現地22日(水)に実施された理事会で、セインツが昨年12月に前回の支払いを行って以来、改修工事に対する分担金のうち1,140万ドル(約17億9,040万円)分を滞納していることを、スタッフから報告された。

しかし、セインツの幹部は要求した“文書”を委員会が提出しなかったため、支払いを保留していると後に説明している。

セインツのコミュニケーション、放送、コミュニティおよび政府関係担当上級副社長であるグレッグ・ベンセルは声明で次のように述べた。

「われわれは何度もLSEDに連絡を取っている」

「適切な書類が提出されれば、ただちに支払いを承認する予定だ。残念ながら、今日のLSEDの会合で、チームが誠実に行動していないというコメントを聞いて落胆したが、実際にはその逆だと感じている」

セインツはどのような文書が不足しているのかは明言しておらず、LSEDの関係者は水曜日の夜に「セインツが言っていた“文書”が何を指すのか分からない」とコメントした。

LSEDはセインツ側の声明に対して、次のように回答している。

「セインツは現在の未払い請求書の総額1,140万ドルを含め、請求書に異議を申し立てたり、支払い請求に関する追加書類を要求したりしたことは一度もない。セインツ側がより具体的に、どのような“文書”について言及しているのかを明らかにしてくれれば、手続きが進むのでとても助かる」

問題となっている金額は、5億3,000万ドル(約832億5,929万円)を超える改修プロジェクト全体から見れば小さいものだ。しかし、セインツの支払い遅延が資金繰りに影響を及ぼし、LSEDが残りの工事を完了できなくなる可能性がある。ただし、セインツとの話し合いがまとまるまでの応急措置として、ルイジアナ州が追加資金源を見つけられれば話は別だ。

一方でLSED側は、セインツが現在のスーパードームのリース契約が2030年に切れた後、新たなリース交渉を有利に進めるために支払いを遅らせているのではないかとの疑問を呈している。

LSEDは「それはまったく別の独立した契約であり、“スーパードーム改修プロジェクト開発契約”に基づく支払いを、長期延長交渉のために保留する法的根拠はない」と述べた。

ほとんどの改修工事は完了している。約5,800万ドル(約91億1,313万円)分の工事が残っており、その金額のうち、セインツは約4,100万ドル(約64億4,204万円)を負担。セインツの声明によると、チームはスーパードームの改修に約2億ドルの投入をすでに確約しているという。

このプロジェクトには、スタジアムのエントランス、コンコース、キッチンの改修、および新しいエスカレーターの設置が含まれている。また、古いスロープは新しい階段とエレベーターに置き換えられた。その多くは昨シーズンよりも前に完了している。

残りの工事は2024年のNFLシーズン開幕までに完了する見込みであり、それは50年近い歴史を持つこのスタジアムが2025年2月9日(日)にスーパーボウルの会場となる約6カ月前となっている。


記事提供:『The Associated Press(AP通信)』


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