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群馬県前橋市出身のファンタジー作家、阿部智里さんの「八咫烏(やたがらす)シリーズ」が原作のテレビアニメ「烏は主を選ばない」が4月からNHKで放送されている。異世界・山内(やまうち)を舞台に、雅な宮廷社会とその影を描く。現在物語は6話まで放送され、佳境に差し掛かっている。
日本神話にも登場する伝説の鳥・八咫烏が物語の中心で、舞台の山内は八咫烏の一族が住む世界。身分社会が形成されており、貴族階級は「宮烏」、商人は「里烏」、地方の庶民が「山烏」となっている。本作では人の姿に「転身」できるという設定で、貴族階級は一生のほとんどを人の姿で過ごす。
山内を治めるのは族長一家の「宗家」。宗家の下に東、西、南、北を治める大貴族「四家」がある。宗家の長「金烏(きんう)」の妃に、四家のどの姫が選ばれるかが政争の種になっている。
主人公は北領の「垂氷(たるひ)」に住む少年「雪哉(ゆきや)」。ひょんなことから次期金烏となる皇太子「若宮」に仕えることになる。若宮の腹違いの兄・長束(なつか)を信奉し、若宮を皇太子の座から降ろそうと目論む「長束派」の不穏な動きがちらつく―というストーリーだ。
阿部さんは、同番組のウェブサイトで「原作者の立場として、アニメのプロが自分の文章からどのような映像世界を思い浮かべたのか、その解釈を見せて頂けることにワクワクしております!」などとコメントを寄せている。
主人公、雪哉の声優は田村睦心(むつみ)さん。雪哉が仕える若宮は入野自由さんが演じる。若宮と対峙する異母兄の長束役には日野聡さん。東家から妃候補として登殿する姫・あせびを本泉莉奈さんが演じている。前橋市出身の田中敦子さんも大紫の御前役で出演している。
放送は毎週土曜。午後11時45分~翌午前0時10分。