中国、ロンドンで投資説明会 「増配促進で中国株の魅力増す」

Huw Jones

[ロンドン 23日 ロイター] - 中国証券監督管理委員会(証監会)の方星海副主席は23日、ロンドンで開いた中国上場企業への投資を誘致する説明会で、企業に配当拡大を促す政府の政策により、外国人投資家から見た中国株の魅力が高まるとの認識を示した。

方氏は、政府が先月打ち出した資本市場強化策に上場企業に配当拡大を奨励する措置が盛り込まれていると指摘。

「中国上場企業は伝統的に十分な配当を払ってこなかった。われわれは今、配当を増やすよう促している」とし「これにより今後、投資家から見た中国株の価値が大きく高まるはずだ」と述べた。

説明会は上海、深セン両証券取引所が主催した。

深セン証取の国際部の幹部は、中国などアジア市場では近年、海外勢の取引が増えているとし「われわれは企業に対し、配当を増やし、投資家向け広報を大切するよう促しており、それが多くの企業の重視する新しいスタイルになっている」と述べた。

方氏は、インフラ投資、不動産、輸出など、中国の過去数十年の急成長をもたらした原動力が「明らかに後退」しているとし「投資家が中国の資産、特に株式への投資を検討する際、この点を強く意識することは理解できる」と指摘。

ただ、中国政府は、現在新たな3つの原動力を重視しているとし、(1)発展途上国への輸出(2)米国など先進国に比べて相対的に低い水準にある国内消費の拡大(3)卓越した製造業の創出──を挙げた。

製造業の自動化とデジタル化による生産性向上も企業業績の回復につながるとし「質の高い成長は政府の最優先課題だ。資本市場がそうした成長の基礎になる」と語った。

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