過去10年で最少 南高梅の着果、平年の3割、和歌山・みなべ、印南

梅の着果状況を調べる日高果樹技術者協議会の調査員(22日、和歌山県みなべ町晩稲で)

 和歌山県のJAや日高振興局などでつくる「日高果樹技術者協議会」は23日、御坊・日高地方の4市町で実施した本年産南高梅の今季最終の着果調査の結果を発表した。主産地であるみなべ町と印南町の着果数は平年の約3割で、過去10年で最少となった。

 協議会の関係者延べ42人が21、22日に、みなべ町84、印南町11、御坊市6、日高川町17の計118園で調査した。各園に設定している樹木の側枝(直径2センチ)2枝の先についた実を数え、実太りも調べた。

 その結果、みなべ町・印南町の100節当たりの着果数の平均は1.7果で、過去10年の平均(5.3果)の31%だった。不作だった2020年(3.4果)と比べても半数の着果数となった。御坊市と日高川町を含めた管内全体では2.1果で、過去10年の平均(5.6果)の38%。主産地・管内全体のいずれも、過去10年で最も少ない結果となった。

 肥大(果実の長径)については、みなべ町・印南町が34.6ミリで、過去10年平均(31.7ミリ)の109%。管内全体では34.0ミリで、過去10年平均(31.6ミリ)の108%だった。

 協議会は「暖冬によって不完全な花が多かったため、着果がうまくいかなかったと思われる。一部ではカメムシの被害も出ており、今後の気象状況によっては被害が広がる可能性があるので、警戒が必要」と話した。

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