【おしゃれな人のお宅拝見】「インテリアはどんどんシンプルに」雑貨店hal店主・後藤由紀子さんはどう夏仕様にチェンジする?

年々暑さの厳しさが増す日本の夏。今年も酷暑が予想されるだけに、風通しのよいインテリアで涼やかに暮らす工夫をしたいものです。そこで、素敵な暮らしぶりが注目される雑貨店hal(ハル)店主・後藤由紀子さんのお宅に伺い、夏に向けて参考にしたいアイデアやヒントを教えていただきました。

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お話を伺ったのは
雑貨店「hal」店主 後藤由紀子さん

ごとう・ゆきこ●1968年、静岡県生まれ。
東京の雑貨店に勤務後、26歳のときに結婚して2児の母に。専業主婦を経て、2003年に地元・沼津で器と生活雑貨の店「hal」を開店。
『雑貨と私』(サンクチュアリ・パブリッシング)、『毎日のこと、こう考えればだいじょうぶ。』(PHP研究所)、『日々のものさし100』(パイインターナショナル)など、暮らしにまつわる著書多数。

竹アイテムで涼しげに。インテリアも衣替え

静岡県沼津市で雑貨店「hal」を営む後藤由紀子さん。飾らない人柄とセンスのいい暮らしぶりが人気を集めている。そんな後藤さんの住まいは、どこか懐かしい昭和の趣が残る木造建築の一軒家。

「暮らし始めたのは約22年前。そのときすでに築40年ほどでした。2人の子どもが小学生のときに増築し、今の5K+納戸の間取りに」

現在は子どもたちが独立し、夫婦2人暮らしとなった。

「インテリアはどんどんシンプルに。昔は育児のことなどで夫とよくけんかをしていましたが、今はお互いを甘やかして、やさしく平和に暮らしています(笑)。仕事で疲れているときは『どこかに食べに行く?』『行こう、行こう!』。家事も無理せずできるようになりました」

家にいる時間の多くをリビングで過ごすという後藤さん。常に居心地よく過ごせるように、季節ごとにインテリアも衣替えをしている。

「古くて寒い家なので、冬はこたつを置いて暮らし、暖かくなったらダイニングテーブル&チェアにチェンジ。竹が好きなので、夏はテーブルの下に竹のマットを敷いたり、竹のかごをディスプレイしたりして楽しんでいます」

夏仕様のしつらえは目にも涼やか。アンティーク調のキャビネットや小さな雑貨を並べた飾り棚など、後藤さんの「好き」を集めたインテリアとも見事に調和している。

「とはいえ、昨夏の暑さにはうんざりしました。クーラーをがんがんかけて扇風機で空気を撹拌し、冷気を部屋の中に行き渡らせて。洋服は自然素材のものを着て、じゃんじゃん洗うようにしていました」

ダイニングテーブルの下に竹のマットを敷いて涼しげに。
飾り棚は古道具市で買ったもの。「ミニチュアの小道具などを飾っています」
リビングのドア上部に扇風機を設置。「空気を撹拌してくれるので一年中大活躍」
納戸をクローゼットとして使用。「熱がこもらないようにサーキュレーターで風を送り、風通しよくしています」

器や服も夏仕様にチェンジ

なかでも愛用しているのが、リネン製品が人気のブランド「fog linen work(フォグ リネンワーク)」と後藤さんのhalがコラボして作った開襟ワンピース。

「リネン素材なので吸汗性があり、洗えば洗うほど風合いが増して肌なじみもよくなります。前ボタンを開ければ、はおりにもなるので便利。だから春夏は、このワンピースを制服のように着ています」

2017年から販売しているこのワンピースは今年も、新色が登場。

「シリーズ通算、40色になりました」

後藤さんが着ているのが、fog linen workとコラボして作ったワンピース。「奥の左のキャビネットは私の嫁入り道具。その右は『嫁が好きそう』と、義父がもらってきてくれたもの」。中にはお気に入りの器やグラスがずらり。

そして、後藤さんにとってもう一つの家ともいえるhalはオープンから22年目を迎えた。

「私は食べることが大好きで、いつか食堂をやりたいと思っていました。でも30代のときに大病をし、1カ月入院したことで、『明日が来るとは限らない』と痛感。食堂を経営するとしたら病気で休むと食材が傷んでしまう、でもお茶碗なら傷まないな……そう思って雑貨屋に方向転換したんです。子どもが学童保育に行く3年間だけやろうと思って始めたお店ですが、気づけば21年も続けることができました」

店にも自宅にも、選び抜かれたこだわりの品々が並ぶ。

「モノが多いけれど、愛着があってなかなか手放せない。だから雑貨屋をやっているんだなと思います」

夏は窓際に風鈴を飾り、音でも涼やかさを演出。「短冊は5年前に亡くなった愛猫が破いてしまいましたが、今もそのまま使っています」

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※この記事は「ゆうゆう」2024年6月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

撮影/柴田和宣(主婦の友社) 取材・文/本木頼子


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