国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されている長浜曳山(ひきやま)まつり(滋賀県長浜市)の山組「春日山(かすがざん)」は、25、26両日に千葉県成田市で開かれる「成田伝統芸能まつり」で子ども歌舞伎を披露する。同山関係者は「長浜の歴史とともに歩んできた曳山まつりをPRできれば」と意気込んでいる。
成田市では、歌舞伎の著名な屋号の「成田屋」にちなんで全国各地の歌舞伎を招いた伝統芸能まつりを催している。今回、曳山まつりを執り行う総当番に同市から公演依頼があり、春日山が出演することになった。
今年4月の曳山まつりで上演した「釣女(つりおんな)」を披露する。太郎冠者がさおを使って妻を釣り上げようとする筋書きで、ユーモラスなやりとりが好評を博した。
役者の男子小中学生4人のほか、しゃぎりの演奏者など40人が赴き、26日午前11時から成田山新勝寺総門前の野外ステージで上演する。かつて同山で子ども歌舞伎役者を務めた関東在住のOBも応援に駆けつけるという。
役者らは公演を控えて18、19両日に山組の春日会館(長浜市元浜町)で改めて稽古をした。上演する野外ステージは曳山の舞台より広いため、役者らは動きや振り付けがステージの大きさに合うよう注意しながら本番に備えた。
春日山負担人の伊藤寿彦さんは「成田は歌舞伎に関わる私たちにとってあこがれの地。役者を含めて皆が意欲満々で取り組んでいる。現地では他の歌舞伎上演団体とも交流を深めたい」と話している。