九谷赤絵の名品一堂に 都内皮切りに巡回展開始

精緻な技を凝らした赤絵細描の名品に見入る関係者=24日午前9時45分、東京駅前の丸善丸の内本店4階ギャラリー

 九谷焼の名窯(めいよう)「宮本屋窯」の秘蔵作品を公開する展覧会「九谷赤絵の極致~宮本屋窯と飯田屋八郎右衛門の世界~」(北國新聞社などで構成する実行委員会主催、本社特別協力)は24日、東京駅前の丸善丸の内本店4階ギャラリーで始まった。関係者は赤絵細描(さいびょう)の精緻な技を凝らした名品が一堂に並ぶ初のイベント開催を祝った。

 江戸後期の1832~59年の27年間に焼かれた「再興九谷」の窯の一つである宮本屋窯の一級品など50点が展示された。

 主画工の飯田屋八郎右衛門が確立した赤絵技法は「世界一の細かさとデザイン性を併せ持つ」などと評価され、来場者は貴重な作品に見入った。会場1階では加賀市の観光物産展が開かれ、北陸新幹線延伸で注目が集まる加賀市の伝統文化と魅力を伝えた。

 オープニング式典では加賀市の宮元陸市長が「光り輝く九谷赤絵の極致を堪能してほしい」とあいさつ、今津和喜夫市議会議長、児玉大輔文化庁参事官が祝辞を述べた。

 東京展を皮切りに6道県の会場を巡回する。来年12月20日~2026年6月28日に加賀市の県九谷焼美術館で開く石川展で締めくくる。東京展の開場時間は午前9時~午後9時で入場無料となる。6月3日まで。

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