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和歌山県水産試験場(串本町)は、紀伊水道(瀬戸内海東部海域)の観測データを解析して、海水温が50年間で1度の上昇傾向にあることを明らかにした。また、透明度も上昇傾向にあることが分かった。
試験場では、水産資源の評価と管理、漁海況予測などを目的に、漁業調査船で毎月、海洋観測を行っている。今回の解析に使ったのは、1973~2022年のデータ。
この結果、海水温は表層で1.0度、底層では0.9度の上昇傾向を示した。この傾向は気温や、太平洋側の海水温の解析結果とも整合している。
透明度は3.4~17.2メートルで推移しており、平均1.0メートルの上昇傾向にあった。窒素やリンなどの栄養塩は、減少傾向を示した。
御所豊穂主任研究員は「地球温暖化と陸域からの栄養塩の供給量が減少した影響を受けているのでは」と推測している。