あ!食べたかったやつ!韓国の屋台で大人気の「ソトックソトック」

屋台での食べ歩きといえば、韓国旅行の楽しみの1つですよね♪トッポッキにホットックにタンフルに…そしてこのソトックソトックは「おいしかった!」「食べてみたい!」という人も多いのでは?今回は、韓国でも大流行したというソトックソトックのレシピと、韓国で人気のいろいろな屋台料理について、韓国料理研究家の本田朋美さんに教えていただきました!

こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。

4月末にソウルに約1週間滞在しました!

その際、約5年ぶりにトレンドの発信地である明洞(ミョンドン)を訪れたのですが、多くの観光客で賑わい、活気にあふれていましたよ!

そして、明洞といえば屋台グルメが楽しめる場所。

そこで今回は、韓国の屋台文化に触れつつ、屋台料理をご紹介いたします!

「ポジャンマチャ」と「ノジョム」

韓国ドラマのシーンに度々登場する「ポジャンマチャ」

韓国の屋台は大きく分けて2つのスタイルがあります。

1つはテント式の居酒屋で、韓国語では「ポジャンマチャ(布張馬車)」といい、移動手段の馬車に布を張ったものという意味です。

さまざまな料理が取り揃えられており、簡易テーブルと椅子が用意されているのでお客さんは座って長居ができるのも特長です。

「ポジャンマチャ」は韓国ドラマに度々登場するので、きっとご覧になったことがある方も多いですよね!

ドラマで良く登場するシーンは、個人的なイメージですが、気のある男女がポジャンマチャで焼酎を飲みかわし、女性の方が飲んだくれ暴言を吐き結果的に酔いつぶれ、男性が女性をおんぶして家に送り届ける…という感じでしょうか?

そして、もう1つは「ノジョム(露店)」です。

ちょっとしたテーブルと椅子が用意されている屋台もあれば、立ち食いスタイルの場合もあります。

韓国の繁華街ではお昼過ぎくらいになるとノジョムのリヤカーが集まり出し、時間が遅くなるにつれてその数が増え、夜になると最高潮の賑わいになります。

家族を養うために屋台を始めた女性たち

ここで少しだけ、韓国の屋台の歴史に触れます。

じつは高麗時代(918~1391年)には露店商がすでに存在し、小規模な商売人たちが物々交換をしていました。

朝鮮時代になると不法な取引をする露店商も現れますが、屋台が集まる市場は貴重な情報交換の場所となり、正式な商売をしている人たちとともに、大きな発展を遂げていきます。

そして日本の統治時代に入ると、貧しい家の女性たちは家族の生活を養うために露店を開きました。彼女たちは朝から晩まで働きづめだったようです。

ちなみにこの時代に増えたのは、石臼で挽いた緑豆をベースにした生地に野菜や肉、キムチなどを入れて、油で焼いたピンデトック(緑豆チヂミ)のお店です。家庭やお店でも食べられますが、ソウルのクァンジャンシジャン(広蔵市場)の屋台料理として有名ですね。

広蔵市場の入り口から奥に歩き進めていると、ピンデトックを焼く油の香ばしい香りが漂ってきます。目の前にピンデトックの屋台が現れた瞬間、食べずにはいられなくなりますよ!

韓国人の青春の思い出が詰まった屋台料理

ここからは、いくつかの屋台料理をご紹介しますね!

トッポッキとオムク(韓国おでん)

みなさまも良くご存じのコチュジャンをたっぷり使ったトッポッキは、韓国人の思い出が詰まった屋台料理。

韓国の友だちから聞いた話によると、学校帰りに屋台でトッポッキを買い食いするのがお決まりだったそうです。

韓国の有名なシェフでさえ、トッポッキをこよなく愛していますから、国民食ともいえますね。

トッポッキについては以前この記事でレシピとあわせて詳しくお話したので、ぜひチェックしてみてください。

トッポッキと一緒に売られていることが多いのは、オムク(韓国おでん)です。

スケトウダラなど白身魚のすり身を、薄く延ばしたり棒状などにしたりした練り物を、長い串に刺して薄口しょうゆで味付けしたスープで煮ています。このオムクは食べるときに、屋台で用意されているヤンニョム(合わせ調味料、たれ)につけます。

トッポッキを注文すれば、オムクを頼まなくても、オムクのスープだけをくれるお店があります。

トッポッキの辛さを中和してくれるスープは胃にしみますよ!

また、ソウルの西村(ソチョン)にある通仁市場(トンインシジャン)には、名物の「キルムトッポッキ」があります。

キルムとは「油」という意味で、油で揚げ焼きしたトッポッキにヤンニョムに絡めて食べます。味は2種類あり、唐辛子の効いたピリ辛味としょうゆ味です。どちらも香ばしくて後を引きます!

ケランパン

ケランパン(卵パン)も昔ながらの屋台料理。ホットケーキのような甘い生地に、卵を1個ずつをのせて焼いてあります。形は厚みのある今川焼のようなかんじです。ひとつ食べると小腹が満たされますので、間食にうってつけです。

パンつながりで言えば、プンオパン(鮒(ふな)焼き)があります。

形は日本のたい焼きに似ていますが一回り以上小さく、定番の餡は小豆です。小さいので2個くらいはぺろりと食べられますよ。

またプンオパンは冬の風物詩なので、寒さの厳しい日に食べる熱々のプンオパンはたまりません。

余談ですが、このプンオパンを模したお菓子が「チャムプンオパン(真のふな焼き)」という名前で2011年に発売され、今もなお売れ続けています。生地はスポンジで中身は餅とチョコレートクリームというのが元々のチャムプンオパンで、2021年にはホットック味も発売されました!

ホットック(ホットク)

ホットックの話が出たところで、少し詳しくお話します。

ホットックは1800年代の後半に韓国の仁川など3箇所が開港された後に中国から伝わったという説があり、のちに韓国風にアレンジされて現在の形になったそうです。

昔ながらのホットックは、小麦粉、もち粉、マッコリで生地を作り、中にナッツ、砂糖、シナモンパウダーを合わせた餡を入れ、専用の押し器で平たく押しながら油で焼きます。

こんな風に折りたたんで紙コップに入れてくれるので、歩きながらでも食べやすいのがいいですね。

釜山では昔ながらのホットックよりもたっぷりとナッツが入っているシアホットック(ナッツホットック)が有名です。

また、ソウルの南大門市場にある屋台では、チャプチェ入りのホットックが大人気で、連日地元の方たちや観光客が列をなしています。

タンフル

韓国の「タンフル」は、中国の冬の屋台菓子である「糖葫芦(タンフールー)」をアレンジしたものです。

中国では酸味のある生のサンザシに飴がけしているものが定番のようですが、韓国では季節のフルーツに飴をかけています。いま日本でも韓国式の「タンフル」が大人気ですよね。韓国では既にブームが少し下火になっているようですが、立ち並ぶ屋台の中で鮮やかなフルーツの色味と飴のツヤはよく目立ちますね!

ナプチャクマンドゥ

ナプチャクマンドゥ(ぺちゃんこ餃子)は、人口からみると韓国第4の都市である大邱(テグ)でなじみのある屋台料理です。

その名前の通り、春雨などの具を少しだけ入れて餃子の生地で挟み、薄く焼いたものです。食べ応えはありませんが、口さみしいときに食べるにはちょうど良いボリュームです。

韓国で人気の屋台料理をご紹介してきましたが、屋台料理には新たなブームも生まれやすいですし、その種類は数え切れないほどあります。

韓国を旅行する機会がありましたら、屋台料理にチャレンジしてみてください♪

最後にご紹介するのは「ソトックソトック(ソーセージとトックの串焼き)のレシピです。

その名の通りソーセージとトックを交互に串に刺して焼いたもので、これも屋台料理なのですが高速道路の休憩所で良く見られます。

とても簡単に作れますので、一度お試しください!

ソトックソトック(ソーセージと餅の串焼き)

調理時間

15分

分量

2人分(竹串4本分)

材料

・トッポッキ用の餅…12個

・ソーセージ…8本

・サラダ油…大さじ1

・白ごま…適量

・マスタード…適宜

(A)

・ケチャップ…大さじ2

・コチュジャン…大さじ1/2

・みりん…大さじ1

・おろしにんにく…小さじ1/2

作り方

1. ソーセージに切り込みを入れ、沸騰した湯(分量外)で30秒ほど湯がき、ザルにあげて水気を切る。

2. トッポッキ用の餅を水でさっと洗い、1の鍋に餅を入れて2分ほどゆでたらザルにあげて水気を切り、サラダ油大さじ1/2をまぶす。

3. 1本の串に餅とソーセージを交互に刺したものを4本作る。

4. フライパンにサラダ油大さじ1/2を引いて中火にし、3の表面に色がつく程度に焼いたら取り出して器に盛り付けておく。

5. 同じフライパンにAを入れてひと煮立させ、皿に盛り付けておいたソトックソトックに塗ったら白ごまをふり、お好みでマスタードを添える。

韓国で大流行した屋台料理で、小腹がすいたときの軽食にピッタリです!

コチュジャンとケチャップの量はお好みで調整してください。サラダ油の代わりにごま油を使ってもいいですね。

それでは今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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