【MLB】アスレチックスが快挙達成 鉄人ゲーリッグの記録が途絶えた85年前と同じ打線爆発

ロッキーズにサヨナラ勝ちして喜ぶアスレティックスの選手たち(ロイター=USA TODAY Sports)

アスレチックスが23日(日本時間24日)、新たなMLB記録を打ち立てた。

アスレチックスはこの日、本拠地でロッキーズに10―9で大逆転勝ち。延長11回に守護神ミラーが4点を奪われたが、その裏に2番J・J・ブレイディの7号2ランなどで同点に追いつき、最後は二死満塁から押し出し四球で4点差をひっくり返す劇的なサヨナラ勝ちを収めた。

この試合でアスレチックス打線は4番から9番までのスタメン打者が全員マルチ安打(計31打数16安打)を記録。アスレチックスは20―4で大勝した4日(同5日)のマーリンズ戦でも4番から9番までの全員がマルチ安打をマークしている。

北米スポーツの記録を扱う「OptaSTATS」は「アスレチックスは今月、4番から9番までの打者が全員マルチ安打を放った試合を2度経験している。1939年5月のニューヨーク・ヤンキース以来。このような試合が1か月に2回あったのはアスレチックスが初めて」と伝えた。

その85年前のヤンキースの試合は、あの元祖鉄人ルー・ゲーリッグの連続試合出場記録が途絶えた日として野球ファンの心に刻まれている。1939年5月2日のタイガース戦。2130試合目の出場となった同年4月30日のセネターズ戦で無安打に終わったゲーリッグは体調異変を感じて2日、ジョー・マッカーシー監督の元に出向き「俺は下がるよ、ジョー」と伝え、14年間に及んだ大記録がついに途絶えた。

カリスマを欠いたヤンキース打線だが、ジョー・ディマジオらの活躍でタイガースを22―2で粉砕。ゲーリッグはわずか6週間後にALS(筋萎縮性側策硬化症)と診断され、再びプレーすることはなかった。ゲーリッグの記録は不滅の金字塔と言われていたが、1987年6月13日、広島の衣笠祥雄によって更新された。

アスレチックスは21勝31敗の借金10でア・リーグ西地区4位と苦戦中。今回の快挙を機に、上昇気流に乗りたいところだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社