「最悪のシナリオ」維新・馬場代表が言及した「部分連合」の可能性に「権力&利権がほしいだけ」集まる批判

5月23日、日本維新の会の馬場伸幸代表は記者会見で、次期衆院選で自民、公明両党の議席が過半数を割った場合の対応について、政策ごとに政権に協力する「パーシャル(部分)連合」の可能性に言及した。

馬場氏は衆院選後の対応を問われ、「選挙の結果を見ないと分からない。どの政党と組むか組まないか、(他党と組まずに)我が道を行く考え方もある」と説明したうえで、政権に協力する際の選択肢として、「たとえば連立入り、閣外協力、パーシャル連合などいろんな連携の形がある」と、部分連合の可能性にも言及した。

これまで第三極の政党が与党入りをして吸収されてきた歴史があるとしたうえで、「そういう轍(てつ)は踏まない。我々も大阪都構想をはじめ、いろんな政策を持っている。政策をどうすれば現実のものとできるか、という立ち位置に立った他党との協力は、絶対にないということは、私は言い過ぎだと思う」と強調した。

馬場氏は5月17日に配信されたラジオNIKKEIのポッドキャスト『吉野直也のNIKKEI切り抜きニュース』でも、次期衆院選で自公が過半数割れした場合「政策が実現するなら、与党に入る選択肢は排除しないのか」と問われ「そういうことです」と答えていた。

「一方で、維新の吉村洋文共同代表は5月17日、馬場氏の発言について記者団から問われ『自民とは価値観が違う。与党入りは、維新の消滅を意味する』と述べ、連立入りには否定的な考えを示し。『政策を実現するうえで、与党に入る必要は必ずしもない』とも強調していました。

同党の藤田文武幹事長も、3月13日の記者会見で、次期衆院選で自公が過半数割れした場合に他党と連立政権を組む可能性を問われ、選挙後の結果を踏まえて判断する考えを示す一方、自民との連立は『(閣僚)ポストをもらって、あめ玉をしゃぶることはないし、してはいけない』と明確に否定していました」(政治担当記者)

5月18・19日、毎日新聞が実施した世論調査で、政党支持率は立憲民主党が20%で、自民の17%を上回った。また同日、ANNが実施した世論調査では、次期衆院選後に「政権交代を期待する」との回答が52%と、過半数に達している。

自公連立政権が過半数割れする可能性が現実味を帯びるなか、馬場代表が連立への協力の可能性を排除しないことに、Xでは批判的な声が殺到している。

《第二自民党を公言するくらいだから、そりゃ与党入りしたいのだろうね。そして大阪万博がマジなヤバさになってきたから、与党入りしてなんとかしてもらおうとしているんでしょ?権力&利権が欲しいだけ》

《やはり…か。「自公維」政権という最悪のシナリオが現実のものになりつつある。現時点では、残念ながらこれの可能性が一番高い》

《という事は与党だけでなく維新も大敗させないとこの地獄のような政権が続いてしまうということですね。維新は自公の補完勢力。分かりやすい》

英国では、スナク首相が近く下院を解散し、7月4日に総選挙を実施すると表明した。与党・保守党は、最大野党・労働党に世論調査で20ポイント以上の差をつけられていることから、14年ぶりに政権交代する可能性が高まっている。

連立入り、閣外協力、パーシャル連合……。どのような形であれ、馬場代表が連立への協力の可能性を排除しなければ、日本での政権交代の可能性に水を差すだけだろう。

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