上司、本人の同意なく性自認暴露 日亜化学工業を徳島地裁に提訴

徳島地方裁判所

 LED製造大手の日亜化学工業(徳島県阿南市)の元社員のカップル2人が、性自認を本人の了解なく第三者に暴露する「アウティング」を当時の上司にされて人格権を侵害されたとして、同社に計330万円の損害賠償を求め徳島地裁に提訴した。1日付。

 20年施行の女性活躍・ハラスメント規制法の指針では、アウティングはパワハラとされ、職場での防止が義務付けられている。

 訴状によると、原告のうち1人は心と体の性が一致しないトランスジェンダーで、19年4月の入社後、戸籍上の名前と、性別を女性から男性に変更する家裁の審判決定を受けた。社内でこれらの事実を伝えていたのは、課長、係長ら上司3人のみだった。

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