つらいときこそ支えになりたい。犬を亡くした飼い主さんへの寄り添い方

いぬ友達や身近な人が愛犬を亡くしたら……「どう接したらいいのだろう」「かけてはいけない言葉はあるのかな」と思いを巡らせる方もいるかもしれません。愛犬を亡くした人が何をしてもらい、どんな言葉をかけられてうれしかったのか〝寄り添い方〞について、獣医師で動物病院専任カウンセラーの宮下ひろこ先生に聞きました。

イラスト/須山奈津希

愛犬を亡くした飼い主さんの気持ちに寄り添うための4つの心得

悲しんでいる相手にどう寄り添ったらいいのか……相手を思えば思うほど、頭を悩ませてしまうことも。そんなときはこの4つを思い出してみてください。

【心得1】話すきっかけは相手に委ねて。相手が話をしてくれたら、話を聞くスタンスでいましょう

亡くなってしばらくしてからやっと人に話せるようになる人もいます。基本は相手から話してくれるのを待ちましょう。気の利いたことを言えなくても大丈夫。相手の気持ちを否定せずに、話を聞いてあげるだけでも、悲しみや喪失感をひとりで抱えこまずにすむ助けとなるはずです。

【心得2】「大切な家族の一員」であるという気持ちで接して

実際に愛犬を亡くした経験のない方にとっては、その悲しみは実感としてわきづらいかもしれません。ですが、長い間ともに生活してきた愛犬の死は、家族の死と同様につらいもの。大切な家族の一員が亡くなった際と同様の心づかいをしましょう。

イラスト/須山奈津希

【心得3】介護などをしていた場合は、飼い主さん自身のことをねぎらってあげたいもの

長い間、介護や闘病生活をしていたとしても、愛犬が苦しんだことを連想させるような言葉は避けて。生前の様子を知っているなど親しい間柄であれば、「最後まで〇〇ちゃんのためにがんばったね」と、飼い主さん自身をねぎらう言葉をかけてあげましょう。

【心得4】SNS上の犬仲間には顔が見えないからこその配慮を

昨今はSNSの投稿などで思いがけず訃報を目にすることもあるでしょう。実際に会ったことのない相手など、どう反応したらいいのか迷ったときは「寂しくなりますね」「ご冥福をお祈りします」といった一般的なメッセージを返すだけでも、お悔やみの気持ちは伝わると思います。

ご紹介した心得が、いつか来る「その日」のことを少しだけ理解するきっかけになればと思います。

お話を伺った先生/獣医師。動物病院専任カウンセラー 宮下ひろこ先生
参考/「いぬのきもち」2024年2月号『もしも、愛犬を亡くした人が近くにいたら……』
イラスト/須山奈津希
文/ヨシノキヨミ

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