「土足で踏みにじられ耐え難い」旧帰還困難区域の酒蔵に無断侵入 持ち主が怒り

双葉町の旧帰還困難区域にある酒蔵に設置された防犯カメラの映像です。手には、一升瓶のようなものを持っているのも確認できます。無断で侵入しているとみられ、酒蔵の持ち主は「思いの詰まった場所に入られるは耐え難い」と訴えています。

これは、今月15日に、フェイスブックに投稿された映像です。酒蔵の敷地内を2人組の人物が歩いています。手には一升瓶のようなものも…。

酒蔵は、300年以上の歴史を持つ双葉町の「冨沢酒造店」
原発事故で避難を余儀なくされ、現在はいわき市に避難しています。酒蔵の会長は、こうした行動に怒りをあらわにしています。

冨沢酒造店・冨沢周平会長「怒りとともに、どうしてこういうことをするのだろうと思う。あそこにあるのは私たちの思い出であり、助けることはできなかった子ども同然のお酒なんですよ」

一時帰宅のたびに、大切なものがなくなっていることに気づき、防犯カメラを設置したという富沢さん。無断で敷地内に入る人物が後を絶たないといいます。

冨沢さん「酒蔵の中に行った時に、タンクは傾いているし、屋根も落ちてきているので、大けがをするとかひどい時は死んでしまうようなこともあると思うんです。そんなことになった時には責任問題になりますから、決してそういうことはしてほしくないです」

「貴方にとっては戦利品なのでしょうが、これは私たちの後悔と思い出の詰まったお酒です」

冨沢さんはSNSで、一升瓶を持ち出した人物に訴えました。

冨沢さん「私たちの思い出と、色々な考えと、家族全員の思いの詰まった歴史の詰まった場所なんです。ですから、勝手にそこに入って土足で踏みにじられるというのは本当に耐えがたい気持ちになるんです」

冨沢さんはカメラの映像とともに、警察に被害届を出していて、決して立ち入らないように呼び掛けています。



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