若狭勝弁護士 自民党裏金事件に私見「捜査が終了したと言われても、にわかに信じがたい」

若狭勝弁護士

元東京地検特捜部副部長で弁護士の若狭勝氏(67)が24日、「〈政治とカネ〉を問う」をテーマに都内の日本記者クラブで会見を行い、自身の見解を述べた。

自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、衆院では政治資金規正法の改正に向けての審議が始まっている。東京地検特捜部副部長時代に捜査で指揮を執った若狭氏は、政治資金規正法について「かなり精通していると思います」と自負する。

同法について「(国会議員の多くは)実際は分からないと思います。ごく一部は、政治資金規正法の中身とか、どこに本当の問題点があるのかを知っている人もいると思います。ただ、その人たちは問題点などを浮き彫りにすると政策活動費という利権が失われてしまうということで、口に出して言わない。というのが実情だと思います」と解説した。

同法には「19条の3」という項目があり、若狭氏によると「まさしく(19条の3は)政策活動費について書いている規定なんです。ところが19条の3に政策活動費ついての規定があるということさえもほとんどの人が知らないです。こういう規定があるのも知らずに今、自民党が改正案を出している」と指摘。若狭氏は「19条の3を適用すれば、今までブラックボックスで全く分からなかったことが、この規定を使うことによって相当明らかになる」と述べた。

特捜部は今年1月に自民党の裏金事件について刑事処分を発表し、捜査に区切りを付けた。若狭氏は「この間の事件で資金の流れというのは宝の山みたいな形で全部、特捜部に収集されている。1月ぐらいに捜査が終了したと言われても、にわかに信じがたいところがある。特捜部は政策活動費を含めて、これから切り込んで行くんじゃないかという思いを今でも持っている」と予想した。

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