改正法案提出者の自民・鈴木馨祐氏が収支報告書不記載を陳謝 党内からは「説得力なくなった」

自民党の鈴木馨祐氏

自民党の鈴木馨祐衆院議員は24日、衆院政治改革特別委員会で、自らが代表を務める同党「神奈川県第7選挙区支部」に対する2021年度分の合計8件の寄付金66万円が不記載だったことを認めた。

同委員会で日本共産党の塩川鉄也衆院議員は、鈴木氏の6団体から受けた寄付金の不記載を報じた「しんぶん赤旗」の報道を引用して質問した。

これに鈴木氏は「当時の実務担当者が代わったタイミングでそういったミスがあった」と認めた上で、8件の不記載が確認されたとして政治資金収支報告を訂正したこととを説明した。

同党政治刷新本部作業チーム座長を務める鈴木氏は、同党派閥政治資金パーティー裏金事件を受けた同党政治資金規正法改正案を提出した責任者の1人である。

塩川氏に「法案を出す資格がないのではないか」とのきつい質問に鈴木氏は「おわびするほかない状況です。(収支報告書の)訂正を要する状況は与野党を通じて多くの方にも正直あることも事実です。そうしたなかで、どのようにして政治資金をきちんと正しく収支報告書に載せるという規制をしていくのかといったことも大事。私の経験も踏まえてしっかりと建設的な議論を行っていきたい」と述べた。

立憲民主党の柚木道義衆院議員には「領収書、明細書を公開しないのはむしろ〝裏金活動〟の自由を守るためですよね。何で公開できないんですか。やましいことがあるからですか」と追及された。

「公開にはどうしてもなじまない、そういったものが存在するのも事実です。支出の項目についてはしっかりと収支報告書の本体に記載していきます」と苦しい答弁に終始した。

鈴木氏といえば、中国新聞(5月10日付)が官房機密費(内閣官房報償費)について「国政選挙に機密費」と報じた2日後に放送されたNHK「日曜討論」に出演した際、「官房機密費を使うことはありません。断言させていただきたい」と根拠を示さず述べて波紋を広げた。

共産党の小池晃書記長は13日に会見で、鈴木氏が官房機密費を選挙目的で使っていないと断言したことに「何に使ったかは官房長官しか知らないはずなのに、なぜ断言できるのか。あなたは長官か」と皮肉った。

自民党内では鈴木氏の収支報告書不記載問題に「赤旗の報道を受けて3年前の不記載を慌てて調べたのはないだろうか。刷新本部の座長がこれでは、わが党の規制法改正案に説得力がなくなりますよ」と落胆の声があがった。

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