インフル薬リレンザで神経再生? 脳梗塞マウス実験、名古屋市立大

傷害を受けた脳内の神経細胞再生の仕組み

 抗インフルエンザ薬のリレンザを投与すると、脳梗塞で傷害を受けた脳内で新たな神経細胞の移動が促され、再生して機能が回復することをマウスの実験で確認したと、名古屋市立大の沢本和延教授らのチームが24日付の科学誌に発表した。

 ヒトの成人では基本的に新たな神経細胞が生まれず、新治療法の開発につながると期待している。

 チームは、マウスが正常時は脳内の細胞間に隙間があることで神経細胞の高速移動ができ、傷害を受けると隙間を減少させる酵素が増え、細胞の移動を妨げていることを発見した。

 この酵素の働きを抑える機能があるリレンザを脳梗塞のマウスに投与すると、隙間が維持され神経細胞の移動が確認された。

© 一般社団法人共同通信社