冷やすのは首や脇でなく“手足”…運動会での熱中症対策いろいろ “水はがぶ飲みでなく回数分けて”

5月は多くの小中学校で運動会が開催されます。暑い日に心配なのが熱中症…。首や脇に冷えた水筒などをあてて冷やす光景をよく見かけますが、医師によりますと、実は手や足を冷やすほうが効率よく体温を下げられるというのです。運動会での熱中症対策含め、取材しました。

「がんばれー!」

記者:「こちらの小学校では今週末の運動会に向けて予行演習が行われていますが、子どもたちが元気に過ごせるようにと、様々な熱中症対策がとられています」

奥田北小学校 中山隆博校長:「これは本式のもので、自分も簡易のものを常に持って、状況を調べながら進めていくというか…」

テントの柱には黒い球体が付いた電子機器が…。

養護教諭:「熱中症の危険性を気温とか空気の流れとか照り返しとかで出してくれるものなので確認しています」

こちらは熱中症指数モニターという機器。指数が31℃以上になった場合は、屋内の涼しい場所で過ごすなどの対応が必要になるといいます。

状況の把握に加えて適切な水分補給を!

アナウンス:「みなさん、テントでしっかり休みましょう。水分補給をするなど行動してください」

予行演習が行われた2時間半の間に15分ほど休憩が3回設けられていました。

奥田北小学校 中山隆博校長:「きょうはまだおだやかな天候ではありますので、それほどの心配はいらないかなと思うのですが、急に気温が上がってくると気を付けていかなければいけないなと」

万が一に備え、学校は経口補水液を用意。くわえて、全校児童に塩分入りのタブレットを配りました。

今週末、県内では25の公立小学校で運動会が開催される予定です。

暑さに慣れていない今の時期は少しの時間でも熱中症のリスクが高まるとして医師は注意を呼びかけています。

八木小児科医院 八木信一医師:「運動会の終わった後に、少しだるいとか、軽い頭痛とか、そういったことを多少訴えてこられるお子さんも少しずつ増えてまいりました」

水分補給が肝心だけど、がぶ飲みはダメ!

八木小児科医院 八木信一医師:「喉が渇いて、例えば、がぶがぶ飲んでしまうと効果としてはよくないので、なるべく一定の量を回数に分けていただくことが大事だと思います」

一気に飲むと、あまり吸収されずに身体から出てしまうということです。

また、身体を冷やすとき脇や首を冷やすといいとよく聞きませんか?実は、動脈と静脈を結ぶ血管の部位が集中する手や足の裏を冷やすほうが身体の内側から効率よく体温を下げられるといいます。

八木小児科医院 八木信一医師:「冷水ではなくて、普通の水道水ぐらいのものでいいんですけれど、(手や足を)つけて冷やすとすーっと冷えていくという」

また、運動会にお茶を持ってくる児童も多いと思いますが。

八木小児科医院 八木信一医師:「運動などの活動をして汗をかくといった状況においては、電解質というものを含んだ経口補水液といいますけれど、そういったものをとっていただくことが非常に大事」

年々厳しさを増す暑さ。運動会を安全に楽しめるようひとつひとつの心がけが必要です。

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