京福バスが10月にも路線バスの大幅減便を検討 福井県、運転士不足で6月減便超える規模

 京福バス(本社福井県福井市)が、運転士不足に対応するため、10月にも路線バスの大幅な減便やダイヤの見直しを検討していることが5月23日、関係者への取材で分かった。同社は既に福井市内の路線で6月から運転士10人分程度の業務削減に相当する減便を公表している。10月は市町をまたぐ広域路線などにも対象を広げ、運転士20人分程度相当の規模を検討しているとみられ、市民生活への影響が懸念される。

 同社が運行する路線バスは嶺北7市町で約60路線ある。運転士は約150人(4月1日現在)で、適正人員に対し40人程度不足しているという。6月の減便は福井駅を起点とする福井市内の路線を対象に、通勤・通学時間帯を極力避け、利用者が比較的少ない日中を中心に実施。福井総合クリニック線の廃止など9路線計242便を減便する方針で、減便率は同社の総便数の約15%に当たる。

 関係者によると、6月の減便でもなお運転士が不足する状況を踏まえ、10月にも現在1時間に複数便が走っている路線や市町をまたぐ広域路線などを候補に減便する方向で調整するとみられる。このほか、夜間帯の最終便のダイヤ繰り上げなども検討しているもようだ。

 同社は福井新聞の取材に「現時点で6月以降の減便などの計画は未定。今後も行政と協議していく」と説明した上で、「不足分の運転士を確保できるめどはたっておらず、今後もさらなる運行効率化が必要なのは間違いない」とした。

 6月の減便方針を受け、県と沿線市町は今月28日、同社や国土交通省福井運輸支局を交えた「路線バス人材確保緊急対策会議」を開く。運転士確保策など今後の対応が話し合われるとみられる。

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