中日の専門家、中日韓首脳会議に期待 協力の新たな機会に

中日の専門家、中日韓首脳会議に期待 協力の新たな機会に

上海市で開かれた第6回中国国際輸入博覧会の日本貿易振興機構(ジェトロ)のブース。(2023年11月5日撮影、上海=新華社記者/彭純)

  【新華社北京5月24日】中国の李強(り・きょう)国務院総理が26~27日、韓国・ソウルを訪れ、第9回中日韓首脳会議に出席する。中日両国の専門家は同会議の4年ぶりの再開について、中日韓の協力に前向きなシグナルを送り、経済・貿易交流や人的・文化交流に新たな機会を提供すると期待を示した。

 中国社会科学院日本研究所の盧昊(ろ・こう)副研究員は取材に対し、中日韓首脳会議の再開は、協力を重んじ大切にする三国の姿勢を反映しており、建設的な意義と模範としての価値があるとの認識を示した。

 盧氏はさらに、日本と韓国の対中関係の特徴の一つは米国の影響の関与が大きいことだとし、日韓は国家安全保障戦略上、米国に依存しているものの、東アジアに位置しており、地域の安全保障ガバナンスの問題に対処する際には中国とも協力する必要があると指摘した。

 国際社会は現在、多くの課題に直面しており、アジアの重要国であり東アジアの三大経済大国である中日韓の対話再開は前向きなシグナルの発信となる。盧氏は、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の正式な実施に伴い、中日韓は事実上、緊密な2国間経済・貿易体制を形成しており、協議と協力の余地は依然として広いとみている。

中日の専門家、中日韓首脳会議に期待 協力の新たな機会に

江蘇省塩城市で開かれた第5回中韓貿易投資博覧会の会場。(2023年11月3日撮影、塩城=新華社配信)

 5月末には第8回中日韓ビジネスサミットもソウルで開催される。ハイレベルな対話メカニズムの再開に伴い、さまざまな分野での地域協力に進展が期待される。北京外国語大学の日本人専門家、馬場公彦氏はこれについて、中日韓の首脳が今回、ソウルでの会合で協力の意向を示し、コンセンサスを見いだし、取り組みへの具体的方針を指示すれば、三国の関連部門は有効に機能できるとし、特に公衆衛生、科学技術、経済、人的交流などの分野で協力が期待できるとの認識を示した。

 馬場氏はまた、中国や韓国との外交関係を考える際、日本政府は環境問題や少子高齢化といった共通の関心事については国境を越えて知恵を出し合うような「小異をおいて大同につく」発想が重要だとし、東アジア域内の信頼醸成・治安秩序の構築に努めてほしいと述べた。

 中日韓3カ国は2008年12月、東南アジア諸国連合(ASEAN)の10カ国に中日韓を加えた「ASEANプラス3」の枠組み外で初めて首脳会議を開催。ASEANプラス3首脳会議を保持しつつ、三国の首脳だけによる会議を制度化することを決定し、これまでに8回開催している。(記者/梁晨)

© 新華社