焼夷弾の破片刺さった女性が企画 戦禍の子どもたちや戦跡写す「大石芳野・風間耕司写真展」富山・魚津市

破壊された家の焼け跡から大好きな人形を探し出した6歳の子ども…。枯葉剤に被爆した女の子は14歳なのに幼児ほどの背丈と知能しかありません。報道写真家の大石芳野さんの写真展は、世界各地で取材した戦争で傷つき苦しむ子どもたちの現状を伝えています。

写真展を企画したのは、NPO法人つむぎ代表の飯田恭子さん(86)です。

NPO法人つむぎ代表 飯田恭子さん:「広い世界の中のあちこちの戦争と自分の足元の富山の戦争の跡というものがひとつに重なるわけですね。私自身が7歳で被災してるから。多くの人に見てほしいなって」

焼夷弾の破片が肩に刺さった…

79年前の富山大空襲…。米軍のB29が投下した50万発以上の焼夷弾が街を焼き尽くし、推定で3000人が命を落としました。

当時7歳の飯田さんは祖母らと神通川に逃げました。

写真展を企画した NPO法人つむぎ代表 飯田恭子さん:「神通川の河原で祖母が四つん這いになって私をかばってくれてた。そしたらたまたま焼夷弾の破片が刺さった」「だから手はこのまんま、長さ違うんです。こっち伸びないですからね」

戦争を知らないのは素晴らしいことだけど

会場には南砺市の旧陸軍演習場の跡など富山を撮影し続けてきた風間耕司さんによる県内各地の戦跡の写真も展示されています。

NPO法人つむぎ代表 飯田恭子さん:「若い人たちが戦争を知らない、知らないというのは素晴らしいことです。素晴らしいことだけど、いつの間にか戦争にからめとられていく『戦前』であることに気づかないでいるんじゃないかなという不安があります。戦争は2度としないでほしいという思いを私はこの展覧会を通してみなさんが感じ取っていただければいいなと思っています」

もう2度と戦争の悲劇が子どもたちの瞳を濡らすことがないように。平和への祈りを込めた写真展は5月27日までです。

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