【西武】移動ゲームで疲労困ぱいの相手に完敗… 今季ワースト8連敗でどろ沼どころか「奈落の底」

苦しい戦いが続く西武・松井監督

もはやどろ沼どころか奈落の底だ。西武は24日のオリックス戦(ベルーナ)に6―9と敗れ、今季ワースト8連敗。12球団最速で30敗(13勝)に到達し、借金は17にまで膨らんだ。

この日はスタメンで1番に初起用された3年目・滝沢夏央内野手(20)が初回から闘志あふれる中越えの二塁打を放ち、4番・中村の先制犠飛を導いた。さらに2回には7年目・西川愛也外野手(24)が2点適時打。5点ビハインドとなった9回には2年目・蛭間拓哉外野手(23)が2点適時打を放って追い上げムードを高めたものの結局のところ、またしても勝利を呼び込めなかった。

先発・高橋光成投手(27)が3点リードを守れず3回に3四球2安打などで崩れ、4点を献上。これで今季依然として勝ち星なしの6試合未勝利(4敗)が続くエースは「3回が全てです。冷静でいられなかったです」と天を仰いだ。

そして4―4の9回に守護神アルバート・アブレイユ投手(28)が3本の長短打と3つの四球で5点を失い、19日のソフトバンク戦に続き2試合連続の救援失敗。チームは最速30敗となり、シーズン換算で43勝100敗ペースと絶望的な数字が並ぶ。敗戦ペースが、とうとう3桁に乗ってしまったことで、暗く長いトンネルの出口はますます見えにくくなった。

松井稼頭央監督(48)は「いい流れで先制点を取れましたし、次の回もいい流れで得点できた。あの回が非常にもったいなかった。四球が3つですからね…」と振り返り、高橋光が一気にリードを吐き出した3回に言及した。

アブレイユが犯した2戦連続の背信投球については「そこの引きずりはないと思う。しっかり切り替えてくれていたと思う。ホームとビジターの違いもあるし、9回同点で行くのは難しいと思うが、そこはアブレイユに任せているわけですから」と守護神を責めることはなかった。

ロッテ2連戦後(21、22日・ベルーナ)、西武は試合がなく前日23日は本拠地での全体練習でこの日の初戦に備えていた。

一方のオリックスは前日までナイターで行われていた敵地・日本ハム3連戦に負け越し、この日は札幌からの〝移動ゲーム〟。午前中に札幌市内の宿舎を出発し、空路で羽田空港へ。そこから距離にして50キロ以上もあるベルーナドームにバス移動で乗り込んできたナインは明らかに疲労困ぱい気味だった。

オリックス・森友哉捕手(28)は「移動ゲームなんで眠いっす」と口にしながら試合前のティー打撃で眠気を払っていたが、9回の勝負どころではきっちりと古巣へ決勝の2点適時打を〝お見舞い〟した。

万全の準備に加え、試合では3点のリードがあったにもかかわらず白星から見放される西武。暗黒時代の幕開けとならないことを祈るばかりだ。

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