【広島】パとの交流戦に向けひそかに進める「ポジティブ改革」 球団スコアラーが証言

広島・新井監督

広島は24日のDeNA戦(横浜)で延長戦の末、5―2と逆転勝ち。延長10回に小園海斗内野手(23)、末包昇大外野手(27)、野間峻祥外野手(31)の3人で1イニングに計3発4打点をたたき出し、敵地を静まり返らせた。これでチームは20勝17敗で2位の座をキープし、交流戦前の貯金ターンも決めた。

大事なパとの戦いに向け、水面下で着々と準備も進行中だ。今年の交流戦は本拠地で迎える28日からの開幕カードでリーグ3連覇中のオリックス、31日からの2カード目は敵地で首位独走中のソフトバンクと対戦する。すでに両球団には先乗りスコアラーを派遣済み。そうした中、今年の交流戦では相手の攻略に向け、アプローチを変える方針を固めている。

球団スコアラーによれば「今年は目から情報を入れるイメージで〝絵的な材料〟をそろえていく。例えば野手なら、ただ投手の映像を見せるのではなく、もっと打席に入りやすくするための映像から入る。ミーティングの中の言葉で、それを落とし込んでもらうイメージ」とし、従来以上にポジティブな要素を重視。これまでのように「配球チャートの資料」を用いるミーティングとは少しばかり趣向を変えていくという。

交流戦は一発勝負。セ他球団とのレギュラーシーズンのように対戦相手において相性や後々のことを考える必要もない。前出のスコアラーは、その点も考慮しつつ「投手も野手も、ほぼ初見の相手。だとしても、自分たちが『チャンスだ』って思えるイメージ」と補足。事前対策にありがちな「〇〇してはいけない」「〇〇に気をつけて」などといったマイナス要素を含む吹き込みは極力、省いたスタイルでミーティングを行う方針だという。

どうすれば短期決戦をシンプルに戦えるか。今年の交流戦はあらゆる物事に対し、常にプラス思考で臨むことを信条とする新井監督の〝イズム〟がより浸透したものとなりそうだ。

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