水稲の10万年連続進化史を解明、中国が栽培の発祥地であることが明らかに

中国の自然科学や人文科学分野の専門家が結成した研究チームは野生稲から栽培稲まで10万年に及ぶイネの進化史を明らかにしました。

人類はいつからイネを利用してきたのでしょうか。イネは野生種から栽培種までどのような過程を経てきたのでしょうか。イネの起源の地はどこなのでしょうか。社会や学術界ではこれらの問題が、長年にわたり注目されてきました。

中国の自然科学や人文科学分野の専門家が結成した研究チームはこれまでに、植物ケイ素微小化石分析などの手法を用いて中国東部の浙江省上山文化区でイネの起源に関する詳細な研究を行い、野生稲から栽培稲まで10万年に及ぶイネの進化史を明らかにしました。また、中国が世界の水稲栽培の発祥地であることを証明し、世界の農業の起源における上山文化の重要な位置づけを確認しました。この研究成果の論文は24日、国際的に権威ある学術誌「サイエンス」のオンライン版に掲載されました。

イネの起源については過去1世紀以上にわたり論争の対象になり、東南アジア説、雲南説など様々な起源説が提出されました。1970年代以降には中国の河姆渡遺跡、上山遺跡および長江中下流の多くの遺跡でイネの考古学的証拠が発見され、国際的な学界は長江の中下流地域が世界のイネの重要な発祥地の一つである可能性を認めるようになりました。ただし、今から約2万6500-1万9000年前の最終氷期極大期が過ぎてから長江流域でサンプルが長期保存されていて、かつ野生稲と栽培稲を区別できる鑑定指標を見つけることができるかどうか、人類が野生稲を栽培種にするまでの過程を明らかにすることができるかどうかが、稲作の発祥地を証明する上の鍵でした。

浙江省上山文化遺跡で発見された10万年前以降の野生稲から最終的に栽培種になるまでの連続した証拠は、イネと気候、人類の活動と文化の発展の間の複雑な関係や、長期にわたる栽培種化の過程を明らかにしました。専門家は、この発見は人類と水稲の協同進化の研究に対する重要な貢献であり、人類社会の発展や農業文明の起源、上山文化の重要性を理解する上で大きな意義があるとみなしています。(提供/CRI)

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