右腕の状態が心配されたアルカラスが全仏オープンに向け自信!「100%の状態でプレーできると思う」<SMASH>

テニス四大大会のひとつ「全仏オープン」(フランス・パリ/クレーコート)で通算14度の優勝を誇る“クレーキング”ことラファエル・ナダル(スペイン)。そのレジェンドが今季限りでの引退を示唆している現在、後継者と目されているのが同郷のカルロス・アルカラス(世界ランキング3位)である。

21歳にしてすでに全米オープンとウインブルドンの2タイトルを保持する逸材は、果たしてラストダンスを迎える大先輩の前で存在感を放つことができるのだろうか。

スペインメディア『AS』によれば、現地22日にパリに到着したアルカラスは「物事は順調に推移している。全ての進歩に満足している」とコンディションの良さをアピールした。というのもクレーコートシーズンに足を踏み入れた4月、練習中に右腕を痛めてしまい戦線離脱を余儀なくされ、以降は出場を予定していたモンテカルロとバルセロナの2大会を欠場。3連覇を懸けて臨んだマドリードでは、波に乗り切れずベスト8で終戦。そして全仏オープン直近のイタリア国際への出場は見送られていたのである。

アルカラスは「腕の痛みと向き合いながら、どのようにして練習に集中するかを考えていた。マドリードでは100%の状態でプレーするのは難しかったけど、プレーするチャンスがあって本当に良かったと思っている。モンテカルロ、バルセロナ、そしてローマ(イタリア国際)は本当に素晴らしいトーナメントでそれを欠場したのはきつかったけど、最近の調子はとてもいいんだ。僕は100%の状態でプレーできると思う」と自信を口にしている。
ツアーを離れている間は、心理学者と何度もセッションを組んで精神的な面の強化にも取り組んだというアルカラス。今年の全仏オープンは、結果的に前哨戦1大会にしか出られなかったため、クレーコートで十分なプレーをしていない。だが全仏の会場入りしたことで「まだトップ選手と練習する時間はあるし、セットや練習マッチをプレーする時間も残っている」と焦ることなく前を見据える。

コーチを務めるホアン・カルロス・フェレーロ氏(スペイン/元1位/44歳)は「彼について最も気に入っているのは、常に大きなことを成し遂げようと考えていること。史上最高のプレーヤーになるには、そういうことを考える必要があり、他に選択肢はない」と言う。果たして“王位継承者”はパリの大舞台でどんな戦いを見せてくれるのか。

アルカラスは初戦で、予選勝者もしくはラッキールーザーと対戦することが決まっている。

構成●スマッシュ編集部

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