茨城・つくばサイエンス高 来年度、普通科設置へ

県立つくばサイエンス高=つくば市谷田部

茨城県教育委員会は24日、2025年度から県立つくばサイエンス高(同県つくば市)に普通科を設置すると明らかにした。現在の科学技術科と合わせて文理融合型とする。同校の今春の志願倍率は0.28倍と低迷し定員割れとなる一方で、つくばエリアでは中学校卒業者が増加する見込み。県教委は、普通科を設置してより多くの生徒の進学先となることを目指すとともに、高校進学のミスマッチを緩和させる。

同日の定例教育委員会で報告した。同校は旧県立つくば工科高を改編し昨年4月に開校。県内唯一の科学技術科を設置し、電子顕微鏡や高度な分析機器などを備える。しかし今春は定員240人に対し77人で、欠員数が163人に上った。

県教委高校教育課は、定員割れについて、中学3年時点では文系・理系の選択を決めきれない生徒が多いことや、改編後間もないため卒業後の進学実績が不明な点などを挙げた。

25年度からは同科と新たに設置する普通科の3学級ずつに分け、240人の募集定員は変更しない。普通科では、文理融合型の選択科目や、科学技術の学校設備を生かした探究授業などを検討しているという。

県教委の推計によると、県全体の中学校卒業者数は、30年には本年比で2141人減少する見込み。一方で、同校があるつくばエリア(つくば、守谷、常総、つくばみらい各市)では、30年には477人増える見込みで、進学先の受け皿確保が課題となっている。

定例委員会では、同エリア内で県立高の需要が高まっているにもかかわらず、同校で大幅な欠員がある状況を踏まえ、需要のミスマッチを指摘する意見が出た。県教委高校教育課の担当者は「普通科の設置により欠員を減らし中学生の進学先につなげたい」とした。

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