相性が悪かった?「ドラクエ」最新ゲームが相次ぎ“サ終”発表 『チャンピオンズ』短命たどった理由とは

5月23日(木)にスマートフォン向けアプリゲーム『ドラゴンクエスト チャンピオンズ』と『ドラゴンクエストけしケシ!』が、7月30日、31日にそれぞれサービスを終了することが発表された。現状を鑑み、プレイヤーたちも薄々予感していたようだが、いざ正式に発表されるとやはりダメージがあるようだ。

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特に、ドラクエシリーズのファンからは、ドラクエの今後の行方を心配する声まで挙がっている。一度に2つのアプリのサービスを終了することになるだが、ダメージが大きいのは『ドラゴンクエスト チャンピオンズ(以下「チャンピオンズ」)』の方ではなかろうか。

『チャンピオンズ』は昨年6月13日にサービスを開始したモバイルゲーム。リリース当初は大々的なプロモーションを打ち出し、ビッグタイトルとして扱われていたが、1年あまりでの撤退となる見込み。この動き目をめぐって、ドラクエファンからは『チャンピオンズ』の短命はサービス開始前から予期できたのでは、と云われている。

予期された理由はさまざま挙げられるだろうが、もっとも根本的な意見として『チャンピオンズ』のバトルロワイヤル形式で進行するゲームスタイルがドラクエシリーズとの「相性が悪い」とする指摘が多い。『チャンピオンズ』ではドラクエのナンバリングタイトルと同じように、バトロワにコマンド入力要素も盛り込んだが、これがあまりにもミスマッチだったようだ。

行き過ぎた課金要素に疑問を呈するプレイヤーも

また、これに畳み掛ける形かつ、決定的な問題と言われているのが、行き過ぎたガチャ要素のバトロワへの関与だ。現在人気を博す「フォートナイト」や「Apex Legends」などのバトロワゲームは課金をしてもあくまでコスチュームが変化するだけで、課金額によってキャラクター自体の能力に差をつけることはしていなかった。しかし『チャンピオンズ』ではガチャでレアアイテムを引くことで他ユーザーと差をつけられる仕様により、課金額で如実に差が出てしまうこととなった。

基本無料プレイのアプリ内課金による収益モデルである以上、一定の課金要素は高品質かつ安定した展開においてあって然るべきだが、今回の仕様は「行き過ぎ」としてユーザーが見切りをつけ、過疎化してしまったとも考えられる。また、こうした一連の『チャンピオンズ』の指摘はときおり“当たり前”と揶揄され、以前よりなされていたこともあり、これらをビッグタイトルとして取り扱った運営陣への心配にも昇華していた。

「ドラクエ」シリーズのタイトルを振り返ってみると、家庭用ゲームでは2022年に『ドラゴンクエスト トレジャーズ 蒼き瞳と大空の羅針盤』を、2023年に『インフィニティ ストラッシュ ドラゴンクエスト ダイの大冒険』と、“モンスターズシリーズ”続編作『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』をそれぞれ発表。積極的に展開は行われているものの、2015年の『ドラゴンクエストヒーローズ』、2016年の『ドラゴンクエストビルダーズ』と立て続けに大ヒットを飛ばしていた時代と比較された場合には、不安視する声も少なくない。

昨月末日にはスクウェア・エニックス・ホールディングスが「コンテンツ制作における221億円の特別損失見込み」を発表したことで大きな話題をもたらしたが、果たしてドラクエはここからまた、立ち直っていけるのだろうか。5月27日、ドラクエの日に発表される情報になおのこと注目される。(=神山勝丸)

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