大関琴桜が平幕相手に“セコすぎ相撲”で自身の首絞める…「横綱にして大丈夫?」と昇進見送り懸念

琴桜(C)日刊ゲンダイ

満員の国技館が静まり返った。

3敗4敗の力士がひしめき合って賜杯争いを繰り広げる混沌の5月場所。24日、何とか3敗をキープしたものの、ファンをガッカリさせたのが大関琴桜(26)である。

相手はこの日が大関初挑戦となる湘南乃海。ともに3敗同士、ファンは固唾を飲んで対決を見守ったが、期待はすぐに失望に変わった。

琴桜が選んだのは立ち合い変化。立つと同時に右に動き、思い切り当たってきた湘南乃海を土俵に這いつくばらせたのだ。

国技館はファンの「ああー……」というため息に包まれたのち、沈黙。当の琴桜は「仕方ないだろ」と言わんばかりに、不満げな表情だった。

決まり手は「上手出し投げ」でも、琴桜の手が湘南乃海のまわしに触れたのはほんの一瞬。支度部屋では「横から攻めようとした結果」と話したが、果たしてこれが大関の相撲と言えるのか。

今場所は横綱不在。大関の霧島、貴景勝も途中休場している。琴桜とすれば、賜杯への執念と「俺がやらなければ」という重圧があるのかもしれないが、大関らしからぬ勝ち方は先々、自分自身に跳ね返ってくる。

横綱になるためには大関で「2場所連続優勝か、それに準ずる成績」が条件。連覇なら文句なしで昇進も、問題は後者の「優勝に準ずる成績」で判断されるケース。

「過去、連覇で横綱に昇進できなかった大関はいない。どんな内容でも、連覇の時点で昇進は確定です。ただ、優勝した翌場所で優勝同点、あるいは優勝次点だと、内容が大きく加味される。あまりに弱々しい、情けない勝ち方ばかりだと、審判部や相撲協会執行部に『横綱にして大丈夫か?』と疑問視され、昇進見送り、なんて可能性もゼロではない。協会としても、弱い横綱は作りたくない。それは満身創痍の照ノ富士が一人横綱を張っている現在でも同じ。むしろ、『そこまでして横綱を作りたいのか』と非難を浴びかねない」(角界OB)

琴桜の祖父は現役時代、「猛牛」の異名を取った横綱琴桜。“逃げ牛”では、しこ名が泣くというものだ。

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