データが語るプレミアリーグにおけるケガ人の多さ マンチェスター・シティとマンチェスター・ユナイテッドに大きな差あり

写真:マンチェスター・Uはケガ人の延べ人数が最多に ©Getty Images

イギリス『BBC』電子版が、2023-24シーズンのプレミアリーグにおけるケガ人の多さについて言及している。

『BBC』電子版は、プレミアリーグのケガ人情報をまとめている『Premier Injuries』をもとに調査を実施。『Premier Injuries』は20年以上にわたるケガ人情報を保持しているが、2023-24シーズンはケガで1試合以上、欠場した選手の延べ数が記録に残っている中では最も多かったという。

ケガ人の延べ人数は655人で、これはシーズン途中にFIFAワールドカップが行われ、その影響でケガ人が多かったと言われている2022-23シーズンと比較して11%増加。部位別に見ると、ハムストリングの負傷が18%も増えていた。

クラブ別に見ると、ケガ人の延べ人数が最も多かったのはマンチェスター・ユナイテッドの45名で、チェルシー43名、ニューカッスルとブライトンの41名などがこれに続く結果に。優勝したマンチェスター・シティは26名で、4番目に少ない数字だった。

また、シーズン中の負傷経験者の分類を見ると、こちらはトッテナムが22名で最多。同クラブはトップチームに26名を登録していたため、その大半がシーズン中のどこかの時点で負傷していたことになる。ブライトンやリヴァプール、マンチェスター・ユナイテッドもそれぞれ21名と多く、逆にマンチェスター・シティはアーセナルやフラムと並んで14名と最も少なかった。

負傷した選手たちの延べ離脱期間を見ると、トータルでは2万5131日で、2022-23シーズンからは19%も増加。個人別に見ると、開幕戦で負傷しその後のシーズンを全休したタイロン・ミングス(アストンヴィラ)の281日が最も長く、ユリエン・ティンバー(アーセナル)の254日、リコ・アンリ(ブレントフォード)の246日などがこれに続いた。また、チェルシーのリース・ジェイムズは2回の負傷で計206日間、マンチェスター・ユナイテッドのリサンドロ・マルティネスは3回の負傷で計214日間、離脱している。

こうした状況について、『Premier Injuries』のベン・ディナリー氏は次のように分析している。

「疲労を抱えていても、体が限界に達するまでは特に問題なく動くことができるが、限界に達した瞬間、問題が発生する。ケガを引き起こす最大の敵は疲労だ。ブライトンやニューカッスルは思いがけずにヨーロッパカップ戦への出場権を手にしたため、彼らの仕事量は大幅に増えた。彼らにとっての問題は、単に試合数が増えたということだけではない。移動の多さと、トレーニングの度重なる中断が大きい」

「プレミアリーグは激しさが特徴だ。選手たちはより激しく、速く、長く走り回ることが求められるし、より短時間で回復しなければならない。その点、ペップ・グアルディオラはエリートレベルの選手たちを扱い、彼らの力を最大限に引き出すために、チームをうまくローテーションさせていた」

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