カワウソの現状知って 絶滅危機啓発の日 伊勢シーパラでイベント 三重

【コツメカワウソの「結」。飼育員による特別解説は結の食事風景を見ながら行われる=伊勢市二見町の伊勢シーパラダイスで(同館提供)】

 【伊勢】三重県伊勢市二見町の水族館「伊勢シーパラダイス」で、「世界カワウソの日」(毎年5月の最終水曜日、今年は29日)にちなんだ特別イベント「シーパラクイズラリー」が開かれている。31日まで。

 毛皮やペット目的の乱獲、生息地の破壊、気候変動などにより、絶滅の危機にある野生のカワウソ類の現状や生態を知り、保全に関する意識を高めてもらおうと、英国の保護団体「国際カワウソ保護(生存)基金」が「世界カワウソの日」を制定し、世界各地の施設で啓発活動やイベントが行われている。

 同館では、ツメナシカワウソ2頭とコツメカワウソ1頭を飼育。特にツメナシカワウソは国内でも飼育数が少なく、3園館で5頭のみという。同館では平成3年から飼育を始め、現在まで3回の繁殖に成功している。

 今回は、カワウソについて楽しみながら学んでもらおうとクイズラリーを企画。参加無料で1日1回実施している(平日は午後0時半から、土日は午前11時50分から約20分間)。

 23日には、参加した約20人がクイズラリー用紙を手に3カ所のポイントを探して館内を歩いた。各ポイントにいる飼育員にクイズの答えを伝え、正解するともらえるスタンプを3つ集めて、参加者全員が同館限定ステッカーをもらった。

 飼育員による特別解説もあり、来館者らがコツメカワウソ「結」(雌、12歳)の食事風景を見ながら、野生のカワウソが置かれている現状などに耳を傾けた。

 和歌山県から訪れた清水誠さん(44)と妻の桃子さん(32)は「クイズを通してカワウソのことを知り、興味を持った」、飼育員の松田安奈さん(40)は「カワウソの現状を知ってもらうきっかけになれば。大人から子どもまで幅広く参加してもらいたい」と話した。

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