和を感じる観光列車、城下町へ 島原鉄道が「和日旅」運行開始 長崎

作務衣に身を包み、おにぎりなどを運んでくれる「和日旅」のスタッフ=諫早市森山町付近を走る「しまてつカフェトレイン」内

 「和を感じる列車に乗って、城下町・島原へ」-。島原鉄道(長崎県島原市)は諫早-島原間の観光列車内で和菓子などを味わい、ガイド付きで島原城周辺を散策する企画「和日旅(わびたび)」を始めた。初回の19日は県内外の30人が参加。記者も同乗し、有明海や雲仙山系の景色を車窓越しに眺めながら日本情緒を満喫した。
 沿線ゆかりの食事やスイーツを味わえる同社の観光列車「しまてつカフェトレイン」は月4本運行。本年度は島原城築城400年を記念し、このうち1本を「和日旅」として運行する。
 諫早駅では作務衣(さむえ)姿のスタッフが歓迎してくれた。席に島原半島産の高級玉緑茶や茶器のセット。おいしい入れ方を教えてくれた。名物の豆菓子と一緒に味わい、旅気分を高めた。

スタンプラリー参加者に贈る「御城印」を手にするトレインアテンダントの田中さん(左)と、島原城七万石武将隊の「高力忠房」=島原城

 列車の平均時速は通常より15キロほど遅い45キロ程度で、約2時間かけ島原駅までのんびりと走る。
 動き出すと、スタッフが昼食を運んでくれた。島原、雲仙・橘湾産いりこを使った炊き込みご飯「じてんしゃ飯」と黒米雑穀のおにぎりセットと諫早の和菓子店による季節の生菓子。日本一海に近い駅とされる大三東駅では写真撮影を楽しんだ。列車に戻ると、半島産黒糖を使ったマドレーヌとコーヒーが振る舞われた。
 島原駅に到着。島原城七万石武将隊の第3代城主「高力忠房」が出迎えた。約半数が約1時間半の城下町スタンプラリーと島原城観光に参加。4カ所のスタンプを集めた人に島鉄と島原城がコラボした参加者限定の「御城印」が贈られた。
 姉妹とめいの4人で訪れた福岡市の主婦、清水啓見(ひろみ)さん(78)は「景色もきれいで、とてもゆったりとした気持ち。島原の歴史も勉強になった」とほほ笑んだ。案内を担当したトレインアテンダントの田中穂奈美さん(31)は「インバウンド(訪日客)も含めて誘客し、築城400年を盛り上げたい」と話した。
 次回は6月16日。全席予約制で、料金は大人6500円、小学生3千円。問い合わせは島原鉄道総合案内所(電0957.62.4705)。

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