今春から高校野球に導入された低反発の新基準バットの使用が県内公式戦で始まり、各チームの戦術に変化が生じている。本塁打や長打が減り、足を絡めた攻撃が増え、投手の配球や守備位置にも影響が出ている。春季県大会は25日、宮古市で準決勝2試合を行う。「投高打低」の傾向も見られる中、数々のドラマを生んだ高校野球は変わるのか、「飛ばないバット」への対応が注目される。
「芯に当たらないと飛ばない」。県大会を戦う選手や監督はこう口をそろえる。新基準バットは反発力を抑え、木製の性能に近づけた金属バット。
芯に当たるとこれまでの飛距離とさほど変わらないが、少しでも詰まると打球は失速する。例年、強力打線を育てる盛岡大付の関口清治監督は「パワーで飛ばす子が苦労し、バットの扱いが上手な子は変わらず打っている」と、技術力の重要性を説く。