「海外富裕層」の定義や市場、旅行の志向とは?実際のプランやツアー内容も紹介

気になる海外富裕層の旅行動向に注目

日本への注目度の上昇や円安の影響などから、日本を訪れる外国人観光客は増加傾向にあります。近年は、海外富裕層ターゲットにした高価格帯の旅行プランやツアーなども注目されています。

そこで今回は、海外富裕層の定義や市場、旅行の志向について紹介します。実際のプランやツアーの一部も掲載しますので、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

海外富裕層の定義や市場規模はどのぐらい?

【写真全3枚/1枚目】豪華な旅客クルーズ船

最近メディアでも注目されている海外の富裕層をターゲットした訪日旅行。日本政府観光局(JNTO)では、調査の結果、以下の2つを「富裕層の定義」としています。

  • 「費用制限なく満足度の高さを追求した高消費額旅行を行う市場」であること
  • 定量・定性調査をもとに「旅行先における消費額が100万円以上/人回」であること

欧米豪の5市場(アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリア)を対象とした調査では、全体の海外旅行者が3億4100万人、そのうち100万円以上を消費する富裕旅行者の方が、約1%の340万人存在していました。

また、全体の消費額では35兆8000億円のうち、富裕旅行者は13.1%の4兆7000億円。消費額単価は5カ国平均で約136万円/人回ということで、訪日旅行全体平均の単価15.3万円の約9倍であることが分かりました。

海外富裕層に見られる2つの旅行の志向とは

【写真全3枚/2枚目】海を望むプライベートプール

日本政府観光局(JNTO)によると、近年、海外富裕層による志向は多様化していますが、50代~60代が中心の「クラシックラグジュアリー志向」と、20代~30代による「モダンラグジュアリー志向」が存在するようです。

旅行においては、クラシックラグジュアリー志向は「サービスの質の高さ」「ステータスシンボル」を重視しており、5つ星ホテルやビジネスクラス以上の飛行機を利用するなど、全てに高額消費を行う傾向が見られます。

その一方で、現在拡大中のモダンラグジュアリー志向は「本物の体験」「サスティナビリティ」を重視しており、地方でのものづくり体験など、自分にとって優先度の高いものに重点投資するなど、大きな違いがあります。

現在は、従来のラグジュアリーなプランやツアーだけでなく、その土地ならではの体験やアクティビティに力を入れている地域も増えているようです。

海外富裕層向けの旅行プランやツアーの一部を紹介

【写真全3枚/3枚目】京都で着物を着て散策する女性

ここからは、海外富裕層向けの旅行プランやツアーの一部を紹介します。

観光庁「地方における高付加価値なインバウンド観光地づくりアクションプラン」

観光庁は「地方における高付加価値なインバウンド観光地づくりアクションプラン」を掲げています。

今後のインバウンドの本格的な回復を見据え、訪日旅行において消費単価が高い傾向にある「高付加価値旅行者」を、地方への誘客を促進するというアクションプランです。

必要な課題や取り組みとして、ウリ(高付加価値旅行者のニーズを満たす滞在価値)、ヤド、ヒト(地方への送客、ガイド、ホスピタリティ)、コネ(海外高付加価値層とのネットワーク、情報発信)+アシと、5つの観点からまとめています。

また、総合的な施策を集中的に講じる「モデル観光地」を11地域選定。例えば、東北海道エリアは「世界に認められた手つかずの大自然~希少動物と人間の共生~」など、その地域ならではの魅力をテーマに展開されています。

海外富裕層向けツアー「Timeless Japan – 時空を超えた日本文化の調和に浸る旅」

株式会社Arteでは、海外富裕層向け日本文化体験ツアー「Timeless Japan」のサービスを提供。

日本の豊かな伝統文化と訪日外国人を繋ぐ架け橋となるように、「持続可能な観光」「消費額拡大」「地方誘客促進」をもってインバウンド回復の貢献を目指したものです。

具体的な内容としては、日本の「食」をメインとしたツアー構成をはじめ、「茶道」や「香道」などの日本伝統文化、「日本刀」の鍛冶体験など、体験型のコンテンツを用意しています。

経験豊かなコンシェルジュが、一人ひとりの旅のスタイルや好みを丁寧にヒアリングしたり、現地ではバトラー(執事)が同行し、旅行をストレスフリーに楽しむためのサポートを行います。

訪日旅行客に日本で良い思い出を作ってもらおう

今回は、海外富裕層の定義や市場、旅行の志向や、実際のプランやツアーの一部を紹介しました。

訪日旅行客は、サービスの質やおいしい食べ物、日本独自の文化など、色々なものに関心を寄せているようです。日本を訪れてもらって良い思い出をたくさん作ってもらいたいですね。

参考資料

  • 日本政府観光局「富裕旅行市場の分析とコンテンツづくりのポイント(JNTOマーケティング研修会テーマ1 ※講演資料の一部掲載)」
  • 観光庁「訪日旅行での高付加価値旅行者の誘致促進」
  • 観光庁「高付加価値旅行者の誘客に向けて集中的な支援等を行うモデル観光地11地域を選定しました~地方における高付加価値なインバウンド観光地づくり事業~」
  • 株式会社Arte「海外富裕層向けツアー『Timeless Japan – 時空を超えた日本文化の調和に浸る旅』の提供開始」(PR TIMES)

© 株式会社ナビゲータープラットフォーム