鉄壁の “エリア94” 誕生 菊池涼介 × 矢野雅哉の二遊間 広島カープ 今季の失策 最少ペースで “守り勝つ”

青山高治 キャスター
ファインプレーを連発。広島カープ、今シーズンは守りにいいプレーが多いです。

コメンテーター 木村雅俊 さん
(中国新聞社 編集委員室 特別委員)
これが、攻撃のいいリズムにつながっていけばいいんですけどね。

青山高治 キャスター
天然芝で守るのが難しいといわれるマツダスタジアムで今シーズンは、この守りの高さが特徴と言えそうです。

木村雅俊 さん
そうですね。本当にことしは守り勝つことができているんです。もともと、マツダスタジアムは天然芝もあるので打球がすごく不規則で、先日の巨人戦でもイレギュラーっていうシーンが何度かあったんです。

天然芝のところでポンとはねるんです。きれいな天然芝で名物なんですが、打球は芝生の上で緩くなって、土の部分に入ると速くなるってことで。

急にはねるんです、ちょうど芝生と土の切れ目になって。これが選手にとっては守るのにたいへん。これから梅雨を迎えて気温が高くなってくると、グラウンド状態も日々、変わるらしくて、選手もたいへんですけど、これを維持するグランドキーパーさんたちもすごく気を使いながら手入れをしているっていう状況みたいです。

渕上沙紀 アナウンサー
相手の打者がゴロを打ったら「よし。アウトだ」と思っちゃうんですけど、そんな難しいグラウンドでなんなく守っているのがプロっていうことなんですね。

木村雅俊 さん
そうなんです。難しいんですけど、逆に言うと、そこはプロにとって見せ場にもなるということです。カープは、23日にエラーが出て、16になりましたけど、2009年にマツダスタジアムができて以降、失策が最少ペースでここまで来ているんです。新たに誕生した “赤忍者” といわれる選手がことし、誕生したことによって、この数字が出てきたんじゃないかなと思うんですけども。

渕上沙紀 アナウンサー
“赤忍者” …

青山高治 キャスター
矢野雅哉 選手ですね。本当に “赤忍者” の言葉がふさわしいですよね。

木村雅俊 さん
もうすごいですよね。身のこなしを含めて。

青山高治 キャスター
なんか本当に見ていて、わくわく・ドキドキさせられる守備というか、目が釘付けになって、ああ、こんなプレーができるんだっていうのを実感させてくれます。

木村雅俊 さん
菊池涼介 選手が捕ったんだと思ったら、これが矢野選手だったりするんですよ。

青山高治 キャスター
実況アナウンサーも間違えたりとか。この肩の強さ…。菊池選手の守備は “殿堂級” というイメージがありますけど、菊池選手の後継者がもう現れたという、そんな感じがしますもんね。

木村雅俊 さん
そうですよね。本当に肩がいいし、こうやって(外野方向に)一直線に走っていって、レフトと一瞬、交錯するんじゃないかと思うんですけど。打球に一直線に入ってくるんです。

青山高治 キャスター
あそこはもうレフトですよね?

木村雅俊 さん
ふつう、ショートはあそこまで届かない気がするんですけどね。

青山高治 キャスター
間に合っちゃうんですもんね。いや、本当にすごい守備ですけど、釘付けにさせる、見せる守備です。

木村雅俊 さん
確かに言われるとおり、肩もいいし、アクロバティックな守りをするので、守っているんですけど、なんか攻めているっていう感じの守備をやってくれる。そうなってくると、菊池選手と組んでいる二遊間も今はセ・リーグでトップクラスっていうふうに言う評論家の方もいるぐらい、鉄壁な状況になっているんです。

そんな話を先日、中国新聞の販売店長さんと話をしていたら、「今は2人を総称して “エリア94” って言われているのを知っていますか?」って言われたんです。「何ですか、それ?」って思ったんですが、“エリア94” という言葉が生まれているらしくて…

青山高治 キャスター
菊池選手と矢野選手の二遊間を “エリア94” …

木村雅俊 さん
2人の守備とコンビネーション。ここから投げて、ここで1つしかアウトを取れないと思ったら、2つアウトにしてしまうっていう。ピッチャーも感謝感激。

青山高治 キャスター
この二遊間によって “ありえないプレー” が生まれているわけですね。

木村雅俊 さん
今はそれを目の前で、マツダスタジアムで見られる状況になっているので、2人(の背番号)を合わせて “エリア94” って言うんです。

渕上沙紀 アナウンサー
すごいですよね。本当に想像の上を行くプレーっていうことですよね。

青山高治 キャスター
よくイチロー選手の守備範囲を背番号で “エリア51” 、菊池選手を “エリア33” とありましたけども、“エリア94” は知らなかった。

木村雅俊 さん
ぼくも知らなかった。言われて初めて「そうなんだ」と思って。ちょっと書いてみたんですけど、これが菊地選手の守備範囲(エリア33)ですね。これが矢野選手の守備範囲(エリア61)で、この重なっている部分が “エリア94” 。

ここは、球は抜けないし、ゲッツーのときには少々送球が乱れてきても、この2人でなんとかしてゲッツーにしてしまう。今までもそんなに悪い守備があったわけではないんだよと。この2人が現れたことで、もっとレベルの高いことが行われることになって、今、広島の二遊間は “鉄壁” 。ピッチャーにとっては、もう本当にありがたいコンビが誕生したと言えると思います。

青山高治 キャスター
なんか、二塁にどんな球が行くんだろう、そして二塁からどんな球が一塁に送られるんだろうという。あそこに行くとわくわくしますもんね。

木村雅俊 さん
これは菊池選手が送球する方になっています。これが逆になったとき、矢野選手の強肩ぶり、一塁に対する球がすごいんですよ。ピッチャーは本当に助かっていると思います。

渕上沙紀 アナウンサー
確かに見ているとわくわくしますし、思わず、「ああ!」「すごーい」みたいな声が出たりして球場も沸きますよね。

木村雅俊 さん
本当に想像の上を行くので、これがチームに対して守りからリズムを生んだり、失点を防いだり、戦力になっていくことでカープがことし、守り勝つっていう試合ができるようになって、今の成績につながっているような気がします。

青山高治 キャスター
二遊間にボールが飛んで、ファインプレーが生まれて、ピッチャーが拍手をしているシーンもよく見ます。

木村雅俊 さん
今までも悪い守備はなかったんですけど、ちょっと2人がやっていることがちょっと異次元レベルに入ってきているので。菊池選手は今までゴールデングラブの常連だったんですけど、矢野選手、ことし、いきなりそのへんに名前が入っていくんじゃないかなっていうぐらい、すごい守備を見せています。

青山高治 キャスター
よく野球にはリズムがある、流れがあるって言いますけど、守備から本当にいい流れを作ってくれていると実感しますもんね。

木村雅俊 さん
本当にそれがカープの新たな名物になっている気がします。

青山高治 キャスター
このファインプレーがこのあと、点につながるんじゃないかという、そういう想像もさせてくれます。

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