6月から「ウニ」が旬! 札幌&小樽からも近い「神威岬」積丹ブルーの絶景「現地レポ」

昔は女人禁制の地となっていた神威岬(撮影:桃井ふわわ)

日本海側に位置する、北海道積丹半島の神威岬(かむいみさき)。札幌から車で2時間、小樽から1時間半ほどで行ける人気スポットだ。

「積丹ブルー」と呼ばれる青く透き通った美しい海を眺めながら、岬の先端まで散策できる。また、積丹はウニの産地としても知られており、漁の解禁時期となるのは6月から8月で、まさにこれからが絶好の時期だ。

■遊歩道から見える絶景と、意外と険しい道のり

神威岬の遊歩道「チャレンカの小道」は、片道徒歩20分ほど。美しい青い海を見ながら歩ける。

短い距離だが、アップダウンが激しく、運動不足の筆者はかなり疲れた。訪れる際はスニーカーのような歩きやすい靴が望ましい。また、岬は風が強いので、帽子が飛ばされないようにあごひも付きのものを選ぶなど、対策をして歩くことをおすすめする。先端まで行かなくても十分に絶景を味わえるので、体力に自信のない方は途中で引き返してもよいだろう。

■女人禁制の言い伝えが残る「神威岬」

岬の入口に「女人禁制の地 神威岬」と書かれた門がある。現在は誰でも自由に通れるが、かつて女性は入れなかった。その云われとなる伝説がある。

源義経に思いを寄せるアイヌの娘チャレンカは、本土に旅立つ義経を追いかけるが、義経を乗せた船は沖の彼方へ。悲しみに暮れたチャレンカは、恨みの言葉を残し海に身を投げてしまう。悲しみと恨みを抱いたチャレンカの体は神威岩となり、それ以来、その周辺に女性を乗せた船が近づくと転覆したことから、チャレンカの怒りに触れるとされ、女人禁制の地になったそうだ。

女人禁制が解かれたのは1855年。今は安心して通れるが、悪天候や強風の日は閉門し、女性のみならず誰もが入れなくなるので要注意。

■積丹半島のもうひとつの魅力「ウニ丼」

積丹ブルーを見に行ったら、欠かせないのが名物のウニ丼だ。ウニの漁獲量が日本一を誇る北海道。積丹半島では6月上旬~8月まで漁が解禁され、新鮮でおいしい生ウニが食べられる。

赤みが強い「バフンウニ」と、クリーム色の「ムラサキウニ」があり、積丹半島で獲れるのは8割以上がムラサキウニ。漁獲量が少ないバフンウニは高価で、漁の状況によって価格が変動する。筆者が訪れたときは、バフンウニ丼は8,000円(税込)でムラサキウニ丼が3,000円(税込)。最初は高いと思ったが、食べてみるとその価値がわかった。

バフンウニは濃厚でクリーミーな味わい、比べてムラサキウニはもう少しさっぱりした印象。どちらもまったく臭みがなく、新鮮さがうかがえる。今まで食べたウニの中でダントツ1位のおいしさだった。感動のあまり、しばらくは他のウニを食べたくないと思ったほどだ。

神威岬のそばにはウニ丼のお店がたくさんあるので、積丹ブルーの感動とともにウニ丼も味わってほしい。

■札幌から神威岬へのアクセス

札幌から神威岬までのアクセス方法は車、または電車とバスを乗り継ぐ2通り。

車の場合は、余市ICまで高速道路を使い2時間前後で神威岬まで行ける。電車バスの場合、JR函館本線の小樽駅で降り、小樽市内から中央バスに乗り美国で降車。そこから神威岬まで積丹町生活交通バスを利用するルートとなる。乗り継ぎによっては片道3~4時間ほどかかる。

また、積丹町生活交通バスは前日までに予約が必要な便もあるので、レンタカーを借りて車で訪れるのをおすすめしたい。神威岬ゲートはその月によって開閉時間が違うので、確認が必要。悪天候の日は閉門されるため、要注意だ。

札幌から行くならば、レンタカーで7時ごろに出発し、神威岬で積丹ブルーを見てからお昼にウニ丼を食べるプランがおすすめ。観光名所の小樽や余市に寄り道して札幌に戻るのも楽しいだろう。

ちなみに筆者が神威岬に訪れたときのプランは、小樽で1泊し、翌日にレンタカーで神威岬に向かうコースだ。初日、新千歳空港に到着後レンタカーを借りて小樽に移動。小樽運河の夜景を楽しんだり、天狗山シマリス公園を散策して、翌朝8時ごろ神威岬に向け出発。小樽からだと高速道路を利用して1時間半で行けるので、小樽も楽しみたい人はこのプランもぜひ試してみては。

ぜひ神威岬まで足を延ばし、「積丹ブルー」と「生ウニ」をぜひ堪能してほしい。

⚫️神威岬

住所:〒046-0321 神岬町

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