海自もがみ型護衛艦5番艦「やはぎ」が京都・舞鶴に初入港 第14護衛隊に配備 FFMの舞鶴配備は初めて

By Kosuke Takahashi

海自舞鶴基地に初入港する護衛艦「やはぎ」(自衛隊協力会 はぎの会撮影、提供)

5月21日に就役した海上自衛隊の最新鋭もがみ型護衛艦(FFM)5番艦である「やはぎ」が25日午前、舞鶴港(京都府)に初入港した。同港を母港とする海自舞鶴基地の護衛艦隊第14護衛隊に配備され、日本近海での警戒・監視活動に当たる。

FFM1番艦「もがみ」と2番艦「くまの」は横須賀基地の第11護衛隊に、3番艦「のしろ」と4番艦「みくま」は佐世保基地の第13護衛隊にそれぞれ配備されており、「やはぎ」はFFMとして初めて舞鶴へ配備された。

5月21日の就役後、初めて海自舞鶴基地に入港するもがみ型護衛艦(FFM)5番艦「やはぎ」(自衛隊協力会 はぎの会撮影、提供)

「やはぎ」は三菱重工業長崎造船所(長崎市)で2021年6月に起工、翌2022年6月に進水した。当初は昨年12月の就役を予定していたが、半導体不足の影響で装備の納入が間に合わず、5カ月遅れの今月21日に就役した。

5月21日の就役後、初めて海自舞鶴基地に入港するもがみ型護衛艦(FFM)5番艦「やはぎ」(自衛隊協力会 はぎの会撮影、提供)

「やはぎ」の艦名は長野、岐阜、愛知3県を流れる「矢作川」に由来する。

この名を受け継いだ日本の艦艇としては、旧海軍の筑摩型防護巡洋艦2番艦「矢矧」、二等巡洋艦阿賀野型(阿賀野型軽巡洋艦)の3番艦「矢矧」に続き、3代目となる。2代目の軽巡洋艦「矢矧」は太平洋戦争末期に戦艦大和とともに出撃し、坊ノ岬沖(ぼうのみさきおき)海戦で沈没した。

5月21日の就役後、初めて海自舞鶴基地に入港するもがみ型護衛艦(FFM)5番艦「やはぎ」(自衛隊協力会 はぎの会撮影、提供)

●海自護衛艦として初の対機雷戦能力

もがみ型は基準排水量3900トンで、全長133メートル、全幅16.3メートル、最大速力約30ノット。平時の監視警戒といったこれまでの護衛艦運用に加え、有事には対潜戦、対空戦、対水上戦などにも対処できる新艦種の多機能護衛艦(FFM)だ。FFはフリゲートの艦種記号で、これに多目的任務対応(multi-purpose)と機雷戦(mine warfare)を意味するMが加えられた。対機雷戦機能は従来、掃海艦艇が有していたが、もがみ型は護衛艦として初の対機雷戦能力を有する。

建造費は5番艦「やはぎ」と6番艦「あがの」を合わせて2020年度予算で約943億円。

●もがみ型は12隻で終了、新型FFMを12隻建造へ 

もがみ型は昨年度防衛予算に計上された、令和5(2023)年度計画艦までの計12隻で建造を終了する。6番艦「あがの」、7番艦「によど」、8番艦「ゆうべつ」までが既に進水している。防衛省は今年度予算計上の令和6(2024)年度計画艦からは5年間にわたって、もがみ型の能力向上型となる新型FFMを計12隻調達する予定だ。

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