年代物パターに大量の鉛 マイケル・ブロックのお手製カスタマイズ術

PGA(全米プロゴルフ協会)所属プロのマイケル・ブロックは前週の「全米プロ選手権」で、10年以上愛用したアイアンを、謎に包まれた真新しいテーラーメイドのプロトタイプに乗り換えて、ギア界のヘッドラインを飾った。

しかし、彼のバッグにはもっと古いクラブが未だに収まっている。23年前の2001年に初めて一般販売された、オリジナルのオデッセイ ホワイトホット2ボールパターだ。

マイケル・ブロックが使い続ける2001年発売のオデッセイ ホワイトホット 2ボールパター(提供GolfWRX)

ブロックのオデッセイ ホワイトホット2ボールには2つの工夫が施されている。

1.アライメント補助機能として、クラウンにマジックで線が引いてある。 2.ヘッドが鉛テープで覆われており、ソール全体、クラウンとソールの中間にあるパターのチャンネル部分にも貼られている。

ブロックは「チャールズシュワブチャレンジ」の火曜に、PGATOUR.comとギアに関する会話を交わすなかで、なぜクラシックなパターに、これほど大量の鉛テープを用いるかを明かした。

「僕はこれまで自分の全てのパターに鉛テープを貼ってきた。店で売られているパターのほとんどは、かなり軽いと感じるんだ。僕は良いテンポのあるパッティングのストロークが好きで、ヘッドにしっかり重量を感じられると、自分のテンポにもっと流れが出るようになる。バックストロークを急がなくなる。するとパットが良くなる傾向にある。(鉛テープを用いる)理由は、フィーリングと、パターのテンポをゆっくりさせるところにあるんだ」

ソールには鉛がベッタリ(提供GolfWRX)

パターに鉛テープを用いると、全体的な重量を重くするとともにスイングウェートも重くできる。これはアマチュアでも簡易にできるトリックで、鉛テープは近所のスポーツ用品店で8ドルから15ドルほどで買えるから、コストもかからない。

一般的に、パターヘッドは軽いものより重い方が、ストローク中に安定感や滑らかさを感じやすいとされる。重い方が狙ったパットのスピードを出す上で、操作や力をより必要としないからだ。ブロックが言うように、ストローク中にかけるエネルギー量が少なくて済むため、テンポや手の動きを効果的にスローダウンさせてくれるのだ。

ギア界の一般的な経験則の一つとして、重いヘッドは速いグリーンでスピードをコントロールするのに効果的である一方、より速いペースのストロークテンポが有効な遅いグリーンでは、軽いヘッドが良いとされている。例えば、タイガー・ウッズは遅いグリーンでは鉛テープをつけず、速いグリーンでは鉛テープを用いる傾向がある。

自分に合うパター重量を見つけるのに最適の方法は、単純に色々な重さを試してみること。パターヘッドに徐々に鉛テープを足しながら、好みの重さを探る。鉛テープの良さは、重くし過ぎた場合、簡単に取り除けるところにある。

人によっては鉛テープなど必要ないかもしれないが、ブロックのように大量に使うことで、最高のフィーリングを実現できるかもしれない。重要なのは、グリーン上で自分に合ったフィーリングを得ることである。

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン