“動画×AI”で情報資産を活用する試み、DXにとどまらないエンタメ分野での可能性

KKCompanyが本年4月より提供を開始したAIプラットフォーム「BlendVision AiM」が5月22日(水)から3日間、東京ビッグサイトにて開催された商談会「NexTech Week AI・人工知能EXPO」に出展。製品デモやセミナーを通じて各方面での活用をアピールした。

BlendVision AiMとは「企業や教育機関、官公庁が保有する動画・文字情報によるあらゆる情報資産の効率的活用」を目指すAIプラットフォーム。近年加熱する生成AI技術によるチャットを通じて、これまで保存に徹していた動画ファイル群を情報資源への応用を見込む。

先日終幕したAI・人工知能EXPOではそんな本製品の単独ブース出展が行われ、ブース内では製品のデモが行われた。現時点では、本製品では主に「動画ファイルの文字起こし」を基軸に、AIを通じた動画コンテンツの活用が可能に。テキスト化したデータを生成AIに学習させることで、動画の内容をテキストとして把握できるようになり、チャット機能を通じた即座な回答を実現するという。

デモでは予め本製品の紹介プロモーション動画を使って読み込み処理を行ったアカウントが用意されており、「どんなことができるのか教えてください」というアバウトな質問に対しても、動画の該当部分をもとに、その要約が返答されていた。さらに、回答の根拠となった部分を抽出して、そのポイントから動画を再生できるなど、周辺機能も用意されていた。

本製品の活用用途としては、企業や官公庁などとしており、先んじて公開されていた台湾では教育機関での採用が行われていた。しかし、デモを行った担当者によると、SaaSといった硬派な使途に加えてエンターテイメント分野への応用も可能だと展望を語った。

例えばスポーツにおいては、実況や解説による事細かな状況説明が音声で行われていることから、過去数十年に及ぶ膨大なデータをもとに「〇〇のベストプレイを振り返りたい」などといった要望に答えることができるほか、アニメにおいては「このキャラがどこでどんなセリフを発したか」などが分析可能だという。権利都合で実現には難しいとしつつも、コンテンツホルダー次第ではB2B2Cという形でのサービス展開も可能だとして、期待感を寄せた。

今後は動画コンテンツの把握の手段として文字起こし以外に、OCRによる画像からのテキスト認識にも対応予定とした。(=テック情報班)

※B2B2C…第三者企業を通じて顧客へサービスを提供する取引形態。
※NexTech Weekは企業による商談イベントです。個人での参加はできません。

© 合同会社サブカル通信社