琉球、広島の猛追を退けて連覇に王手、今村と岸本の連続3Pで逃げ切り

琉球が8-0スタートで流れを掴む

Bリーグ2023-24シーズンもついに佳境。勝ち上がったのは琉球ゴールデンキングス(西地区2位)、広島ドラゴンフライズ(西地区3位/ワイルドカード)という西地区の強豪2チームになった。琉球は勝てば連覇、広島は勝てば初優勝。5月25日、横浜アリーナでB.LEAGUE FINALS 2023-24ゲーム1が行われた。

琉球は#7アレン・ダーラム、#14岸本隆一、#30今村佳太、#34小野寺祥太、#45ジャック・クーリー、広島は#5アイザイア・マーフィー、#12中村拓人、#13ドウェイン・エバンス、#24ニック・メイヨ、#30山崎稜という5人でスタート。琉球はいきなり#30今村、#14岸本の3Pシュートが飛び出して8-0というスタートを切った。琉球は広島#13エバンスに対して、#7ダーラムが好ディフェンス。苦しい立ち上がりとなった広島だが、#12中村、#24メイヨ、#30山崎が3Pシュートで得点を重ねる。それでも、琉球は強みであるインサイドでスコアを伸ばすと、#14岸本、#15松脇圭志が外からシュート力を見せて24-16、琉球がまずはリードを作った。

2Q、広島は#15河田チリジや#13エバンスが積極的にインサイドに仕掛けていくがフィニッシュできず。すると琉球は#15松脇、#4ヴィック・ロー、#88牧隼利などコートに送り出した選手が活躍。35-16とリードを広げる。流れを変えたい広島は#8ケリー・ブラックシアー・ジュニアのフィールドゴール、#5アイザイア・マーフィーの3Pシュートでつなぐと、残り3分半、チーム得点王(シーズン15.0得点、チャンピオンシップ19.8得点)の#13エバンスがフリースローで初得点。好守も出て徐々にテンポの良いバスケを展開できるように。それでも終盤、連続得点した琉球が43-25としてハーフタイムを迎えた。琉球は前半7/12(58.3%)と3Pシュートが好調。武器であるインサイドでも14点(広島8点)と得点を伸ばした。広島は2Pシュートが4/19(21.1%)と低調だった。

4Q、広島らしいバスケで猛追を見せた

3Q開始直後、広島は素早いパス回しから#30山崎がコーナー3P。さらに早い展開で#24メイヨがねじ込む。それでも琉球ディフェンスは前半同様に#13エバンスには自由にプレーさせない。そしてオフェンスではインサイドで#7ダーラム、#45クーリーがシュートをねじ込み、#30今村も連続して3Pシュートを成功。残り4分で56-32とする。
しかし、ここから広島がいい流れを作る。ターンオーバーを引き出すと、#30山崎のスリー、#8ブラックシアー・ジュニアのフェイドアウェイシュート、#13エバンスの3Pプレー、#7船生誠也の3Pシュートで得点。点差を縮めると4Q序盤、#12中村のフローター、#15河田の連続得点で11点差まで縮めた。琉球は#15松脇のコーナー3Pで連続失点を止めたが、広島の集中力は途切れず。#15川田、#8ブラックシアー・ジュニアの得点で57-65と8点差とする。しかし、今日の琉球は3Pシュートが絶好調。残り3分を切ってから#30今村、#14岸本が次々とスリーをねじ込み、2桁差に広げると74-62で逃げ切り。連覇に王手をかけた。

琉球は15/33(45.5%)と3Pシュートを高確率で成功。4Qの勝負どころでも決めきった。一方、前半は今一つだった広島だが、最終的にペイント内での得点で26点(琉球20点)と琉球を上回り、4Qは19-12と上回ったが捉えきることができなかった。明日のゲーム2は13時10分ティップオフである。

<オンコートインタビュー>
■#30今村佳太
――3Pシュート5本成功。初戦に勝利できました
「まずは大事な初戦を勝ち切ることが大事だと思っていたので、ホッとしていますが、まだ何も成し遂げていないので、明日しっかりゲーム2で決められるように。広島もバウンスバックしてくるはずなので、自分たちは受け身にならないように勝ち取る気持ちで臨みたいと思います」

――連覇に向けて王手をかけた
「2連覇を掲げてきた中で、あと1勝で連覇を達成できるので、ここにいるブースターのファンの皆さんと一緒にいい景色が見られるように一緒に頑張っていきたいと思います」

■#14岸本 隆一
――大歓声、ゲーム1に勝利しました
「本当にホッとしています」

――ブースターの応援をどう感じますか?
「4Q相手に追い上げられている時にも本当にコートに出ている選手だけでなくて、ここにいるキングスを後押ししてくれる全員の力で押し戻せたかなと思います」

――終盤、2本の3Pシュートを決めました。どんな思いで放っていましたか?
「入ったらいいなという思いでした(笑)」

――明日に向けて
「まだ1勝です。明日必ず勝つこと。もっともっとより良いバスケができるので、向上心を持って戦っていきたいと思います」

■#7アレン・ダーラム
――12得点、8アシスト、4リバウンドの活躍でした
「常日頃からチームに自分ができることを考えながらプレーしているんですけども、今日は常に僕以外にも非常に優れた選手が揃っているので、選手たちを信頼してプレーすることを意識しました」

――立ち上がりから素晴らしいスタート。追い上げられたけど勝利できた
「今日は勝利できて非常にうれしいです。あと1試合あるので、もう一つ勝てるように頑張りたいと思います。(日本語で)アリガトウ」

■桶谷大HC
――改めて試合を振り返ってください。
「出だし、前半はディフェンスもオフェンスもよくてシュートも入りましたし。ちょっと4Qでボールが止まってしまったり、2ビッグのところでオフェンスを何をすべきかわからなくなって、リズムを崩しましたけど、そういう課題もありながら勝利できてよかったと思います」

――立ち上がり8-0のランから始まりました。
「選手たちのインテンシティが高かったです。ジャックのスティールから始まりました。あそこでビッグマンがしっかりディフェンスしてくれると、日本人選手もハードにプレーできるので、あの一番最初のプレーで、自分たちのプレーのトーンをセットできたかなと思います」

――8点差まで追い上げられた中で今村選手、岸本選手の3Pシュートが素晴らしかったですね。
「松脇もね(笑 ※会場爆笑) コーナーのスリー、あそこで決めてくれる選手がいるのは心強いですね」

――前日会見で3年連続のファイナルで横浜アリーナはホームのように感じているとおっしゃっていましたが、アリーナの雰囲気はいかがでしたか?
「琉球のファンの人は本当に多いですし、広島からもたくさんのファンが来てくれて、盛り上げてくれています。いい環境で僕たちはプレーさせてもらっているなと思うので、明日はどちらが勝つかわからないですけど、お互いにいいバスケを見せられるように頑張りたいなと思います」

※この原稿は月刊バスケットボールWEB()に掲載されたものです

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