青山学院大学自動車部がTEAM ZEROONEとともにZでJoy耐に挑戦。将来の富士24時間参戦を目指す

 5月25日、静岡県の富士スピードウェイで開催されているENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE第2戦『NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース』の会場内で、学校法人青山学院が記者発表を行い、青山学院大学体育会自動車部の教育活動の一環として、2024年から新たなモータースポーツ活動をスタートさせ、2024〜2025年にもてぎEnjoy耐久レース(Joy耐)に参戦すると発表した。

 青山学院大学体育会自動車部は1931年創部で、間もなく95年を迎える。また、青山学院は今年が創立150周年で、どちらも節目を迎えることになるが、2024年から体育会自動車部として従来の競技活動から発展し、大学自動車部としては「初と考えられる」本格的な耐久レースに挑戦することになった。

 まず2024〜2025年の2年間は新規チームとしてサーキットでのレース活動を学び、チームワークを作ることを目標として、モビリティリゾートもてぎで7月に開催されるもてぎEnjoy耐久レースにニッサン・フェアレディZで参戦する。さらに、2026年には青山学院大学自動車部として、富士SUPER TEC 24時間レースへの参戦を目指していくという。

 チーム体制としては、学生たちがもちろん参加。チームのマネージメント業務、メカニック業務、広報宣伝活動を担う。さらに理工学部の学生はレースエンジニアの基礎を学びながら、チームに貢献していく。また体育会運動部として、レース参戦のスキルや経験をもった学生、OBのドライバーとしての起用も予定しているという。

 当然ながら学生だけではなかなかJoy耐、さらに富士24時間に参戦していくことは難しいことから、スーパー耐久ST-ZクラスにニッサンZ NISMO GT4の2台体制で参戦するTEAM ZEROONE、そして自動車部学生を中心としたOBのサポートを受ける。青山学院大学体育会自動車部の宮尾佳延GMがチーム監督を務め、万全の体制で『TEAM青山学院大学体育会自動車部』として臨んでいくという。

 今季のJoy耐に向けては、ル・マン24時間勝者で、世界中の耐久レースを知り尽くす荒聖治、そして豊富な経験と速さをもつ川端伸太朗のふたりが加入する。さらに人材育成活動として、レース活動のみならず、年間を通じたモータースポーツを活用した教育として、TEAM ZEROONEに所属する松田次生や柳田真孝、荒といったトップドライバーたちによるドライビングトレーニング等も計画しているという。

Joy耐に挑戦することになった青山学院大学体育会自動車部の学生たち、宮尾佳延GM、薦田博常務理事
青山学院大学体育会自動車部の宮尾佳延GM

■青山学院カラーのニッサン・フェアレディZが登場

 使用されるニッサン・フェアレディZは、青山学院のイメージカラーであるグリーンとホワイトに塗り分けられ、学生、OBにとっては思わず応援したくなるカラーリングとなった。この日富士スピードウェイで行われた発表では、ニッサンのGT500活動を率いる木賀新一総監督も挨拶したが、木賀総監督は青山学院出身。「我々が開発したクルマに、私の母校である青山学院のマークが入り、これでレースに出られるということで、こんなに嬉しいことはありません」と喜びを語っている。

 また、ニスモの片桐隆夫社長は、宮尾監督とは大学自動車部で戦った間柄だという。「実は個人的に、宮尾さんとは40年前にライバルとして戦っていたんです。今回、モータースポーツを通じて人を育てるということは素晴らしい趣旨だと思います。私は慶応だったのですが、負けていられないと思いました(笑)」と片桐社長。

 今回の参戦にあたって、学校法人青山学院の薦田博常務理事は「青山学院は本年11月に創立150周年を迎えます。この記念すべき年に、大学の自動車部としては遠い夢であった本格的な耐久レースに、青学カラーのニッサン・フェアレディZで参戦することになりました。青山学院に幼稚園から大学まで通われたTEAM ZEROONEの河野初樹代表の絶大なご支援のおかげで成就したと思っています」と挨拶した。

「またご協力いただいているチームの皆さん、そして日本を代表する産業である自動車業界の皆さんのご理解と温かいご支援のおかげでこの日を迎えることができたと思っています。(学生たちは)まだまだ卵から孵ったひよこですが、一丸となって精進し、これからお世話になる自動車業界の発展にわずかでも協力できたら幸いです」

 また、TEAM ZEROONEの河野代表は「私は社会人になる前は青山学院に、社会人になってからはニッサン/ニスモに育てられました。私たちTEAM ZEROONEが青山学院、ニッサン/ニスモのファンを増やすために何が貢献できるかと考え、こうして薦田常務からお話をいただき、実現できたことに感謝しています」と語った。

「陸上部の原晋監督は素晴らしい組織を作り、箱根駅伝の優勝を争っていますが、自動車部の学生たちは、薦田常務の話にもあったとおり、まだひよこです。しかし、たくましい自動車部の学生たちの大冒険を見守り、応援して欲しいと思っています」

 青山学院の運動部は、陸上部をはじめ計47部門があり、「スポーツは人を育て感動を提供する」ものととらえているという。今回の挑戦は、耐久レース参戦を通じてさまざまな経験から学生を育て上げ、社会人になるための人間力形成の場になるとしている。非常にユニークな挑戦と言えるが、どんな結果を残すか楽しみなところだろう。

TEAM 青山学院大学体育会自動車部

もてぎEnjoy耐久レース チーム概要

チーム名:TEAM 青山学院大学体育会自動車部
マシン名:青山学院自動車部 Zoff Z
プロジェクト責任者:青山学院大学体育会自動車部部長 熊野寛之
チーム監督:青山学院大学体育会自動車部GM 宮尾佳延
チーム代表兼アドバイザー:TEAM ZEROONE 河野初樹
技術部門責任者:TEAM ZEROONE 浅野真吾
ドライバー:荒聖治/川端伸太朗/TBN
マシンメンテナンス:青山学院大学体育会自動車部&TEAM ZEROONE合同

青山学院大学体育会自動車部のドライバーを務めることになった荒聖治
Joy耐に挑戦することになった青山学院大学体育会自動車部のニッサン・フェアレディZ
Joy耐に挑戦することになった青山学院大学体育会自動車部のニッサン・フェアレディZ
Joy耐に挑戦することになった青山学院大学体育会自動車部のニッサン・フェアレディZ

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