入所者突き飛ばして死なす 元職員に懲役4年 群馬・渋川市の障害者施設

 2022年9月に群馬県渋川市の障害者支援施設で入所者の50代男性を両手で突き飛ばして死なせたとして、傷害致死の罪に問われた元職員で、沼田市のアルバイトの男(61)の裁判員裁判の判決公判が24日、前橋地裁であった。山下博司裁判長は「動機などについて不合理な弁解をしている。実刑は免れない」として、懲役4年(求刑・懲役6年)の実刑判決を言い渡した。

 山下裁判長は判決理由で、防犯カメラの映像などから相当強い力で押したと認定。男性がふらつきやすいと知った上での暴行で、「転倒して頭を打つ危険性の高い行為」と指摘した。男性の異変を認識しながら翌朝まで適切な対応をしなかったことも「死亡という重大な結果をもたらした一因となった」とした。

 判決によると、22年9月18日午後8時50分ごろ、渋川市半田の「グループホームふわふわ渋川」で入所者の男性=当時(59)=の上半身を両手で突き飛ばし、頭を床に強打させて右急性硬膜下血腫などを負わせ、搬送先の病院で10月、脳ヘルニアで死亡させた。

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