ただのズワイガニが「幻の高級カニ」タグ一枚の産地偽装 漁解禁までに急ぐ再発防止策の行方

【資料写真】間人ガニの証となる緑色のタグ(2024年3月、京都府京丹後市丹後町)

 兵庫県産のズワイガニを京都府京丹後市の高級ブランドガニ「間人(たいざ)ガニ」と偽って販売したとされる事件で、京都府は再発防止策を検討する委員会を立ち上げた。11月6日のカニ漁解禁前の9月中に防止策をとりまとめる方針。

 間人ガニの産地偽装事件では、兵庫県産のズワイガニに間人ガニを証明するタグを付けて販売したとして、京丹後市の水産物販売会社の元役員が逮捕、略式起訴され、罰金100万円が命じられた。また元役員にタグを不正に譲渡したとして、カニ漁船関係者の女性も書類送検された。

 京都府水産課によると、検討委員会は府と京丹後市、宮津市、舞鶴市、伊根町に加え、府漁業協同組合、観光業者、流通業者で構成し、今回の問題の原因を分析した上でタグの適正管理を話し合う。同課によると、これまでタグは地元漁船の船長が管理し、漁協ではタグを管理していなかったという。府は漁協に対しコンプライアンス順守とタグの適正管理を呼びかけており、今後は検討委員会を通じ、現在、非公開になっている漁獲量と平均単価などデータの公表も求めていくという。

 同課の担当者は「ズワイガニは北部観光の売りでマイナスイメージが続くと大きな打撃になる。カニを含む新たな北部ブランドを作っていくことも検討し、再発防止策を地元と一緒に話し合いたい」としている。

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