湘南ルキアンが亡き祖母に捧げる古巣への恩返し弾「おばあちゃんのためにも、ゴールが欲しかった」

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湘南ベルマーレは5月25日、J1第16節でジュビロ磐田と敵地で対戦し、2-3で敗れた。

キックオフ直後に驚きを提供したのがFWルキアンだ。キックオフの流れからボールを受けた髙橋直也がドリブルで敵陣に侵入し、右サイドで高い位置を取った池田昌生にパス。池田が右足でクロスを上げると、ゴール前でフリーになっていたルキアンが頭で合わせて、試合開始の笛からわずか14秒でネットを揺らした。

古巣・磐田への恩返し弾は、自身のJ1キャリアハイの得点数(5点)を更新する6ゴール目に。また、先日他界した祖母へ捧げる特別な一撃でもあった。

試合後、ルキアンは様々な想いがこもったゴールをこう振り返った。

「昌生が良いクロスを上げてくれたので、決められて良かった。長い間、一緒に住んでいて、本当の親のような存在だったおばあちゃんのためにも、ゴールが欲しかったですし、古巣相手で、いつも以上に気持ちが入っていました」

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ただ、ルキアンはゴールを決めた喜びよりも、黒星を重く受け止めているようだった。先制点を奪ったあと、福田翔生にもゴールが生まれて一時は2点差に引き離すも、前半終了間際に1失点、後半に2失点を喫し、逆転負け。「ゴールを決められて良かった。でも...」と、チームの出来を悔やむように試合を回想した。

「今日の試合も含め、だんだんと集中力が切れてきて、終盤に負け越してしまう試合が多い。原因は、間違いなく僕らにあります。前半は、相手がどんなに素晴らしいチームでも、主導権を握る戦い方ができるからこそ、残念です。僕自身も、今日はもっと決められるチャンスがあったはずです」

試合後、ヤマハスタジアムのゴール裏に挨拶へ向かう際も、表情から悔しさが溢れ出ていたルキアン。古巣の本拠地で抱いた想いをパワーに変えて、次節以降への糧とできるか。湘南の攻撃を牽引するブラジリアンストライカーのさらなる奮起に期待したい。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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